会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「なんでそんな話が出るんだ!」と社長は逆ギレ…“負債残額282億円”巨額粉飾事件のキーマンが使った“名門銀行の名刺”(文春オンラインより)

「なんでそんな話が出るんだ!」と社長は逆ギレ…“負債残額282億円”巨額粉飾事件のキーマンが使った“名門銀行の名刺”

倒産した堀正工業(非上場)の粉飾疑惑(→当サイトの関連記事)を取り上げた週刊誌記事。

新しい情報としては、融資の仲介役だった保険会社営業マンのことが比較的詳しく書いてあるのと、社長と軽井沢の別荘の写真が載っていることでしょうか。

「なぜ銀行の担当者たちが、こぞって堀氏(堀正工業社長)に騙されることになったのか。融資した銀行関係者がキーマンの存在を指摘する。

「実は各行がこぞって融資したのは、東海銀行、合併後のUFJ銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、現在は東京海上日動あんしん生命保険で営業マンを務めるA氏の紹介があったから。A氏は約10年間同行に勤めた後、約20年間保険のキャリアを積んできた金融の大ベテランです」

経歴だけではなく銀行時代の名刺も“活用”した。

「銀行に堀社長を紹介する際、銀行時代の名刺を担当者に見せ、『堀さんは昔からの知り合い』と安心させていた。またA氏は、東京での融資拡大をねらう地銀の東京支店に足繁く通っては、『有望な企業がある』などと紹介していたようです。堀正工業による粉飾が巧妙な手口だったため、A氏が指南していたのではと疑う声もあります」(同前)

粉飾がばれないように、決算書を何十もの銀行ごとに細工するというのは、融資の際のチェックポイントをよく知っている人物が指南していたのかもしれません。

融資金の行方は...

「融資された莫大な金は一体どこに消えたのか。関連ビジネスに流用されたと指摘されるが、一方で“私物化”を疑う声もある。

その1つが、昨年5月に堀氏が購入した軽井沢の別荘だ。敷地面積1800㎡超の広大な敷地に建つログハウス。実は、2020年に亡くなった直木賞作家なかにし礼さんが避暑で利用するために建てたものだ。

「軽井沢の別荘の他にも、1部屋3億円は下らない虎ノ門のタワーマンションに会社名義で部屋を所有するなど、複数の高級不動産を所有しています」」

記事の最後の方では、A氏や東京海上日動あんしん生命に話を聞いています。

「警視庁などの捜査機関も事態の推移を注視しているという」とのことですが、非上場会社の粉飾がそれだけで刑事事件になったという例はあまりなさそうです。財務報告を監督している官庁もないので、金商法違反の課徴金のような行政処分もありません。

銀行などが恥を忍んで詐欺などで刑事告発しない限り、うやむやで終わるのでしょう。

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