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クリムゾンが不正会計 在庫水増しで9億円

asahi.com:クリムゾンが不正会計 在庫水増しで9億円 - ビジネス

ジャスダック上場の「クリムゾン」が、06年1月期、07年1月期の決算で商品在庫を過大に計上して利益が出たように見せかけていたという記事。過大計上の総額は9億円の見込みとのことです。

「クリムゾンによると、不正会計は監査法人の指摘で発覚。弁護士などで調査委員会を作り、過去3年度にさかのぼって調査したところ、存在しない在庫の計上や在庫の過大評価などが見つかったという。担当役員は「(帳簿上の)利益確保が目的だった」と水増しを指示したと認めており、同社は1日付で担当役員を解任した。」

担当役員というのは、プレスリリースによれば、管理部門担当取締役とのことなので、限られた一部門の不正というより、会社の高いレベルで不正が行われていたことになります。

業績に影響を与える事象の発生について(PDFファイル)

プレスリリースには、調査報告書の要旨が掲載されています。

これによると、在庫水増し額は、2005年7月中間期272百万円、2006年1月期300百万円、2006年7月中間期687百万円、2007年1月期907百万円と急増しています。

不正の手口は、「一定の在庫につき従来とは異なる評価単価(以下「特別単価」という)を社内手続を経ずに採用し、その評価額を不適正に増額した。 評価単価の安い倉庫在庫を、アウトレット店舗の同数の在庫として計上し(上記の特別単価を適用)、その差額の評価額を不適正に増額した。 また実際には存在しない在庫をアウトレット店舗の在庫(上記の特別単価を適用)として計上した」ということで、単価の水増しと架空在庫の計上という古典的なものです。

また、調査の際には、経理課のコンピュータ内の「元データ」と「最終データ」という2つの在庫データを差異分析したようです。棚卸の当初のデータに必要な修正を加えて正しい棚卸金額を集計するという作業は、どこの会社でも行われている作業だと思いますが、この会社の場合は、そのような棚卸集計の最終段階で不正な操作をしていたようです。

さらにアウトレット店舗の在庫が不正に使われていたことについては、「他の在庫の管理に比べ、アウトレット店舗の在庫の管理が甘かったことが原因である」としています。
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