3月時点
名古屋の「越原学園」という学校法人が、資産運用で多額の含み損(今年3月時点の含み損は約58億円)を抱えているという記事。
「日本経済新聞が入手した内部資料によると、同学園は普通株式などに加え、高収益が望めるが運用リスクも高いデリバティブ(金融派生商品)取引でも多額の資産を運用。外部に公表している決算関係資料には記載がないものの、今年3月時点では高リスクの金融商品の評価額が約44億3600万円と、購入時の価格(約102億4千万円)を大きく下回り、差額の約58億円が含み損となっている。
同学園が多く保有しているのは、外資系の金融機関などが発行している「日経平均リンク債」とみられる。この商品は一般的に年利5%前後の高い利率がうたわれている半面、日経平均株価があらかじめ決まった水準(ノックイン価格)を下回ると元本割れのリスクが高まる特徴がある。」
記事によれば「08年9月のリーマン・ショックを契機に株式相場が大きく下落し、含み損が一気に拡大したもよう」とのことなので、2009年3月期と2010年3月期の過去2回の決算に影響が出ているはずですが、どういう会計処理だったのでしょうか。
平成21年度 事業報告(越原学園)
運用の含み損自体は大問題ではありますが、同法人の平成21年度の貸借対照表をみる限りでは、負債はほとんどなく、仮に含み損を処理したとしても、まだまだ健全な財政状態です。この法人に関しては、日経の記事で言っているような「深刻な財務状況」とまではいえないでしょう。
日経リンク債券とは?(みずほインベスターズ証券)
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事