会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

2020年「手形・でんさい」動向調査(東京商工リサーチより)

2020年「手形・でんさい」動向調査

東京商工リサーチによる手形やでんさい(でんさいネットが扱っている電子記録債権)の動向をまとめた記事。

手形が減った分、でんさいが増えているのかといえば、そうでもないようです。

「2020年の約束手形の交換高は134兆2,534億円(前年比27.0%減)で、ピークだった1990年(4,797兆2,906億円)のわずか3%(97.2%減)にまで減少している。

約束手形の交換高が急速に減少したのは、現金決済の増加、印紙税や保管コストの負担、紛失リスクなどのほか、全国銀行協会(全銀協)が推進する電子記録債権へのシフトが背景にある。ただ、2013年2月にスタートした「でんさい」は、2020年の交換高が手形の約6分の1にとどまり普及は進んでいない。」

「「でんさい」の利用者登録数は2019年5月、初めてマイナスとなり、その後は増減を繰り返す。2020年の発生記録請求金額(でんさい額)は22兆1,162億円(前年比3.9%増)と伸び悩んでいる。 」

経産省は手形廃止の方向のようですが、廃止は受け取り側にデメリットもあります。

手形半年に2回決済できず、不渡りを出すと銀行取引停止処分を受ける。「でんさい」も同じ罰則がある。だが、現金決済の遅延に対する罰則はない
 
手形の利用廃止は時代の趨勢で、避けられない部分もある。現金決済では支払側が様々な理由をつけて支払いを遅らせる可能性がある。手形の利用廃止を促す一方で、商取引での現金決済による受取側の権利保護の検討も必要だろう。」

「手形割引を扱う金融業者は、「中小・零細企業は手形割引などの資金調達手段がなくなると、手数料の高い2社間ファクタリング業者への依頼が増えるかもしれない」と、企業収益への懸念を指摘する。」 
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