国税庁が国会議員に“納税手引書”を配布していた! 裏金は《「雑所得」で課税対象》と明記
国税当局が国会議員に政治資金の納税に関する手引きを配布しているという記事。
自民党は裏金の納税を頑なに拒んでいます。
「政治資金は原則非課税だが、裏金が議員本人の収入と見なされれば所得税の課税対象だ。自民党内では裏金議員に納税させる案も浮上したというが、森山総務会長は15日に「政治資金として処理しているので、所得税は発生しない」と断言。納税を「党として検討することはあり得ない」と否定した。」
しかし、国税庁の手引きでは...
「実は国税当局は毎年、国会議員らに政治資金の確定申告について説明する“納税手引書”ともいえる文書を渡しているというのだ。
今年1月に配布された「令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告について-政治資金に係る『雑所得』の計算等の概要-」には、しっかりこう書かれている。
<政党から受けた政治活動費や、個人、後援団体などの政治団体から受けた政治活動のための物品等による寄附などは「雑所得」の収入金額になりますので、所得金額の計算をする必要があります>
<「政治活動に係る『雑所得』」の金額は、年間の「政治資金収入」から「政治活動のために支出した費用」を控除した差額であり、課税対象となります>
つまり、鍵のかかった引き出しで保管していようが金庫に入れていようが、使われなかった裏金は「政治資金」ではなく「雑所得」にあたり、確定申告する必要があるということ。単純な話だ。」
「国税庁から確定申告の必要性について説明が毎年あり、それが文書として残っている以上、議員側は「知らなかった」では済まされないはずだ。」
例えば、いくら宗教法人の宗教活動に課税されないといっても、お寺の住職が受け取ったお布施を宗教法人の帳簿に記載せず、自分のポケットに入れてしまったら、仮に、そこから寺院の修繕費や諸経費を出すつもりだったと主張しても、それは通用せず、住職個人の所得税脱税となるはずです。政治家も同じだと思うのですが...
夕刊紙の記事なので確度が高いとはいえませんが、税務調査に乗り出すこともあり得るのだそうです。
「「国税庁内部でも“悪質な裏金脱税は摘発すべきだ”という意見がある。議員の選挙区ごとにバラバラに告発されても地方の税務署では対応しきれないが、集団訴訟のような形で東京の国税局にまとめて持って来られたら、税務調査に乗り出す可能性は十分あります」(国税庁関係者)」
記事でいっている手引きはこれのことでしょう。
確定申告に関する手引き(政治資金に係る「雑所得」の計算等の概要)(国税庁)
当サイトでも、議員の逮捕に関連して、この「手引き」について少しふれました(→当サイトの関連記事)。
「事件を受け国民には、派閥から議員側に還流した裏金が課税対象とならないことへの不満が高まっている。野党は裏金受領が脱税に当たる疑いがあると批判を強めており、立憲民主党の後藤祐一氏は「国民の声を肌で感じた方がいい」と訴えた。
鈴木氏は「私も関心がある。税務当局から、申告作業は大きな混乱なく進んでいると聞いた」と釈明。「国民が不公平感を抱くことがないよう、真摯に対応する」と引き取った。」
ほとんどの納税者は税務署にあたってもしかたがないという大人の態度なのでしょう。