金融庁が、銀行取引の情報を管理する「家計簿アプリ」などの事業者を登録制にすることを検討しているという記事。
「「家計簿アプリ」は、銀行口座のお金の出し入れやクレジットカードの使用履歴を最先端のIT技術を使って一元的に管理し、お金の使いみちや残高を自動的にまとめるもので、サービスを提供する事業者や利用者が増えています。
このため金融庁は、8日に開いた審議会の作業部会で、この「家計簿アプリ」のように銀行口座などの情報をまとめて金融サービスを提供する事業者などについて、登録制を導入する方針を正式に示しました。
金融庁は、こうした事業者の財務状況や個人情報の流出を防ぐための体制を国が確認することで利用者の保護を図るとともに、IT技術を金融に取り込んだいわゆる「フィンテック」の分野で事業者と金融機関との連携を促したい考えです。」
銀行口座の情報を取得して資産管理に使うサービスということでは、家計簿に限らず、会計ソフトなどの会計業務も同じでしょう。金融庁の作業部会でも、freeeとマネーフォワードが呼ばれて説明しているようです。
金融審議会「金融制度ワーキング・グループ」(第4回)議事次第(金融庁)(再掲)
「決済関連分野において、近年、金融機関と顧客との間に立ち、顧客からの委託を受けて、IT を活用した決済指図の伝達や金融機関における口座情報の取得・顧客への提供を業として行う者(以下、電子決済等代行業者又は業者という。)が登場・拡大している」ということをいっています。
会議の討議資料より。
「●業者に登録制を導入し、当該業者が顧客から資金を預かることがないことに留意しつつ、例えば、以下を求める。
・ 適正な人的構成(欠格事由等)
・ 必要に応じた財務要件
・ 情報の適切な管理
・ 業務管理体制の整備
●業者が、金融機関と接続して顧客に対して電子決済等代行業サービスを提供する場合には、金融機関との契約締結を求める。
(注)業者のうち、決済指図の伝達は行わず、口座情報の取得・顧客への提供のみを行う者については、金融機関がオープンAPI を導入するために必要な期間を勘案して、一定期間、契約締結を猶予する。」(あと4つの項目を挙げています。)
技術的な面では、銀行システムにアクセスする方法として、現状では「スクレイピング」(「顧客から預かったパスワード等を使って、金融機関との間で契約締結等の明確な法的関係を構築することなく、銀行システムにアクセスする」方法)が使われているが、「API(Application Programming Interface)を利用した方法が、利用者のセキュリティを確保しつつ、電子決済等代行業者が銀行システムにアクセスして様々な FinTech に関連したサービスを提供することを可能とする技術となっており、オープン・イノベーションの1つの核になる技術として考えられる」「適格性や情報管理能力等の面で問題がある業者以外の業者に広く開放されること(オープン API)が重要である」ということで、オープン APIという方法を金融庁は推進したいようです。
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