フィリピン子会社における資金流出事案に関する和解成立および特別損失の計上に関するお知らせ(PDFファイル)
山王(東証スタンダード)のプレスリリース。
フィリピン子会社における資金流出事案に関して、特別損失を計上するとのことです。正確には「当社フィリピン子会社の取引関係にある金融機関の従業員による詐欺行為により、当社フィリピン子会社の資金を流出させられた事案」です。
「2022 年 5 月 11 日付でお知らせしました、当社フィリピン子会社の取引関係にある金融機関の従業員による詐欺行為により、当社フィリピン子会社の資金を流出させられた事案について、対象の金融機関と和解が成立いたしました。
当社及び当社フィリピン子会社は、2022 年 3 月下旬に$3,089,459.66USD(約 400 百万円)資金流出を認識して以降、対策チームを組成の上、対象の金融機関と損害賠償に関する協議を進めてまいりましたが、交渉の長期化により当社グループの業績に与える影響等を総合的に勘案した結果、本件を早期に解決することが総合的利益に適うと判断し、この度、金融機関から和解金として$1,550,000.00USD(約 200 百万円)の返還を受けると共に、今後訴訟を通じて対象の従業員から流失した資金を回収すべく、対象金融機関と協力し流失した資金の保全・回収にあらゆる手段を講じ全力を尽くすことを内容としております。」
流出額と和解金額との差額$1,539,459.66USD(約 200 百万円)を、特別損失とするそうです。
日本的感覚からすると、金融機関の従業員による不正なら、金融機関が全額責任負うべきなのでしょうが、フィリピンは違うのかもしれません。
6月14日に第3四半期の四半期報告書を提出していますが、そこでは損失処理は何もしておらず、注記と未収入金への振替だけしています。ちなみに、その第3四半期累計額の経常利益は446百万円でした。
(山王の四半期報告書より)