粉飾決算書を金融機関に提出して融資金をだまし取った容疑で大阪市のコンサルタントと「ZERO」という電気工事会社の元社長が逮捕されたという記事。
「2人の逮捕容疑は2020年6〜12月、同社の財務状況が債務超過であることを隠した虚偽の決算報告書を神戸市の金融機関に提出し、融資金約4800万円をだまし取った疑い。府警は2人の認否を明らかにしていない。
府警によると、2人は金融機関に提出したZERO社の決算書の売上高を過大に計上するなどして経営状況が良好なように装っていた。22年12月以降、約3500万円の返済が滞り、金融機関側が24年6月に刑事告訴した。同社は同年10月、大阪地裁から破産手続きの開始決定を受けた。」
コンサルタントの方は別の会社の粉飾決算と融資金詐取容疑でも逮捕されています。
銀行をだまし「10億」得た…決算書を粉飾し融資金詐取の疑い 元銀行員の経営コンサルタントを再逮捕(FNN)
コンサルタントは元銀行員だそうです。
「都市銀行の元行員で経営コンサルタントの×××容疑者(50)は2020年、コンサル契約を結んでいた大阪市西淀川区の電気工事業「ZERO」の社長・××××容疑者(55)と共謀。
会社に資産があると装い決算書を粉飾して、銀行から融資金およそ4900万円をだまし取った疑いが持たれている。」
「一体なぜ、銀行はだまされたのか…。
東京商工リサーチ瀧川雄一郎さん:複数社で融資詐欺を行うというのは結構レア。銀行が金融機関出身というだけで、ちゃんとしている方という印象をもつ。」
コンサルタントは、インタビューで、詐欺金額は10億円といっているそうです。
再逮捕前の記事。手口が少し書いてあります。
<独自>ゾンビ企業で資金融通か 元銀行員の知識悪用で粉飾、コンサル社長逮捕 大阪府警(2024年12月)(産経)
「逮捕された×××容疑者は、銀行員時代に培った金融知識を駆使し、複数の赤字企業の粉飾決算に指南役として関与していた疑いが持たれている。銀行などの支援がないと今にも破綻してしまう、いわゆる「ゾンビ企業」を悪用し、各社で資金を融通し合うなどして粉飾を図っていたとみられる。
関係者によると、××容疑者は経営コンサルの契約先だったベンリッチ社以外にも、複数の赤字企業の粉飾に関与。売上高の水増しや負債の過少計上といった手法で決算報告書をごまかし、「優良企業」に仮装していたという。
こうした赤字企業は、××容疑者が経営するエムエスジー社と連携し、グループ会社を形成。銀行から融資を受けたグループ内の企業は、各代表の個人口座などを経由してエ社に資金を送金していた。エ社に集まった資金は、融資金の返済期限が迫るなど資金繰りに困った企業に分配されていたとされる。ある関係者は「エ社はグループ会社全体の資金を集める大きな財布のような存在」だったと指摘する。
昨春、ある取引行でグループ内の1社の粉飾が発覚。その結果、同年9月に大阪地裁がエ社の破産手続き開始決定を出すなどし、他のグループ内企業の粉飾も「芋づる式」に発覚していった。」
あえて好意的に解釈すれば、弱者連合を組んで、銀行に対抗していたということなのかもしれませんが...