ニイウスコーの不正事件を例にとって、IT企業に不正のトライアングルがそろいやすい原因を論じたコラム記事。
「売り上げ至上主義の経営者がIT業界では多数派を占める」(動機・プレッシャー)、「IT企業の会計処理は、通常の製造業に比べて経営者の恣意性が入りやすく、また会計監査の歴史も長くないため、不正会計が見逃されやすい」「内部統制も、未整備」(機会)、「業界全体で、売上高の前倒し計上や循環取引、帳簿貸し、セールス&リースバック取引などが恒常的に行われているため、従業員一人一人にそれが不正であるということに対する認識が弱い」(正当化)といった事情が挙げられています。
こういうトライアングルに対して、J-SOXによる内部統制の整備・向上は、不正の「機会」を減らすことには役立ちそうです。しかし、「動機」や「正当化」の部分にはほとんど影響しないので(統制環境の部分で少し引っかかるかもしれませんが・・・)、これからも不正リスクが高い業種であり続けるでしょう。監査人もそういう覚悟で監査するしかありません。
会計士協会も数年前にIT企業の監査について報告書をまとめるなどして、監査実務のレベルアップをやっていますが、結局あまり効果はなかったということでしょうか。
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