青森公立大という大学(地方独立行政法人)が、図書購入金額を計約16億円過大計上していたという記事。
「2012年3月、寄贈を受けた図書が所在不明になっていることがわかり、所蔵する計約18万冊の図書を調べていた。その中で13年7月、図書システムに登録されている1冊の本の金額が約5億3897万円と記載されていたのが見つかり、ほかにもないかどうか調査した。
その結果、実際は1冊2300円、2800円、3914円だった計3冊の本が、それぞれ約5億3897万円と誤記載されていたことがわかった。」
信じられない話なので、会計と結びついていないシステムのことかなと思って、この大学のウェブサイトを見ると、記事のとおり会計上の資産計上額が間違っていたようです。
過去の事務処理ミスに起因する資産の金額修正に関するお詫び
「去る平成10年度に、図書情報システムの新システムへの移行が行われました。
この際、主に変更時のシステム障害によると思われる一部図書の購入金額の誤記載(19冊、額にして約16億74百万円の過大計上)があり、平成21年度の地方独立行政法人化後もそのまま引き継がれていたことが判明しました。」
より詳しい資料
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図書評価額の修正について(PDFファイル)
「本学は、平成5年4 月に青森地域広域事務組合を設置者として開学し、平成 21 年 4月に公立大学法人青森公立大学として地方独立行政法人となり、その際、同組合と財産譲与契約を締結し、図書一式(購入金額 2,510,758,489 円)の譲与を受けたところである。
しかし、既に譲与を受けた図書の中に、今回調査した誤登録の図書が含まれており、そのうち特に高額なものは、1 冊「538,976,288 円」の図書が 3 冊同額で登録されており、これは、法人化以前の平成 10 年に図書システムを新システムに全面移行した際、システム変更時の障害により誤登録され、そのチェックを怠ったまま現在に至ったものと推測される。・・・」
「なお、高額図書の誤登録が判明した時点以降において、本学と業務支援契約を締結している有限責任監査法人トーマツに対し、当該事実について相談し、全資産の調査終了後に財務諸表へ表記する必要があることを確認した。また、修正金額が確定した後、財務諸表への具体的な表示方法について確認した。」
外部監査を受けていたのかどうかは不明です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/67/73990cebd7dbc5a47fba096f01c8425e.png)
大学施設案内
「23万冊の蔵書収容能力と200余席の閲覧座席数があり、学生が勉学に必要な図書や雑誌を書架から自由に取り出して閲覧できるように、すべて開架式となっています。」
2014年3月期の財務諸表(PDFファイル)をみると、有形固定資産の「図書」に、約26億円計上されています。
図書館に書籍がフルに詰まっていたとしても23万冊ですから、1冊あたり1万円以上となります。ちょっとどうかなという数字です。