会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝問題、「不適切」か「不正」か オリンパス上回る規模、ミスでは済まず(sankeibizより)

東芝問題、「不適切」か「不正」か オリンパス上回る規模、ミスでは済まず

東芝粉飾事件を取り上げたコラム記事。オリンパス事件との違いなどについて書いています。

「「不適切会計」と「不正会計」「粉飾決算」では、明らかに語感が違う。後者2つが意図的なごまかしであるのに対して、前者はいかにも悪意のないケアレスミスのような印象を与える。

 会社が設置した第三者委員会の調査では、特定の事業部門の特定のプロジェクトだけでなく、他の多くの事業部門でも「不適切」な会計処理によって利益が水増しされていたことが分かってきている。全社的に不正がまかり通っていたことをうかがわせる。

 オリンパス事件は、過去に発生した投資の損失を海外子会社などに飛ばし、歴代の経営者がそれを隠し続けてきたものだった。それを知っていたのは特定の経営者だけで、会社ぐるみではなかった、という判断が下された。元トップらは刑事責任を問われた。特定の個人の犯罪とされたのである。

今回の問題が特定の個人による犯罪でないとすれば、組織ぐるみの不正、あるいは組織に根ざしたあしき風土の問題ということになりかねない。そうなれば、オリンパス事件以上に根の深い問題ということになる。」

オリンパスの粉飾を、本当に特定の経営者(と外部の粉飾指南役)しか知らなかったのかという点は、疑問ですが、部門をまたがって不正が同時多発的に発生しているという点では、東芝はオリンパスとは違うのでしょう。どちらかというと、カネボウの事件に似ています。ただ、カネボウと比べると、個々の粉飾項目の悪質性は低いような印象です(第三者委員会の報告書が出ると変わるかもしれませんが)。粉飾金額の相対的な規模(重要性)も違います。(逆に、カネボウほどは切羽詰っていないのに、粉飾に手を染めたという点では、同情の余地はないのですが・・・)

「今回は関係者が厳しい処分をすることに腰が引けているように感じる。上場廃止問題を検討する取引所も、決算書の正しさを担保してきたはずの監査法人も、それを監督する日本公認会計士協会も、当局である金融庁も、「ケアレスミスだった」で済ませたいのか。」

そんなことにならないことを期待します。
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