会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

軽減税率:年内結論で一致…自公が調査委初会合(毎日より)

軽減税率:年内結論で一致…自公が調査委初会合

自民、公明両党が「軽減税率」の導入に向けた調査委員会の初会合を20日に開催したという記事。8月に中間報告をまとめるそうです。

「自民、公明両党は20日、生活必需品などの消費税率を低くする「軽減税率」の導入に向けた調査委員会の初会合を開き、参院選後の8月にも中間報告をまとめることを決めた。14年度税制改正論議に合わせ、導入時期軽減幅対象品目選びについて年内に結論を出すことでも一致した。」

軽減税率導入時期、適用対象、軽減税率を何%にするかなどの点が議論されるわけですが、記事によれば、まだだいぶ両党の意見に差があるようです。

制度面ではインボイス方式についてふれています。

「軽減税率導入に不可欠とされる「インボイス」に対しては、経済界が「事務負担が増える」と反対している。公明党は対象を一部の食料品などに限れば、現行の帳簿方式で対応できるとしているが、自民党内では「商品ごとの税率をきちんと記録できるインボイスが軽減税率の前提」(税調幹部)との声が根強い。」

今でも仕入先からの請求書には消費税率や消費税額が記載されているのが普通ですから、仕入する側では事務処理ができないわけではないでしょう。しかし、インボイス方式になれば、消費税として実際に納付する金額を記載することになるので、免税業者や一般消費者からの仕入れについては、仕入税額控除ができない(税務き金額で支払う)ということになります。例えば、自動車販売店が一般消費者から中古車を下取りするときも、消費者からすると下取り額が減ることになり、新車の売れ行きにも影響するかもしれません(そのほか税率引き上げの影響も当然出ます)。

もちろん、現行制度のままでは、納付されない消費税を控除することになり、理屈にあいません。5%の税率であれば容認されるのでしょうが、今後、10~15%となったときには、続けられないでしょう。

少し単純化すると、

軽減税率○ インボイス方式○ または
軽減税率× インボイス方式× が自民党
軽減税率○ インボイス方式× が公明党
軽減税率× インボイス方式○ が財務省

というところでしょうか。

食料品等に対する軽減税率の導入問題(国税庁)(←やや古い論文の要約です。)

「ゼロ税率は、課税ベースが大きく侵食される、対象範囲の拡大を誘引する、恒常的に還付が生ずる事業者が多発するなど問題が多く、採用すべきではない。」

仕組みとして最もすっきりするのは「ゼロ税率」方式だと思いますが・・・。

消費税の軽減税率の導入にはインボイスは必要不可欠(ダイヤモンドオンライン)

免税事業者や消費者から仕入れたとき(国税庁)

消費税増税対応のポイントは、トーマツに聞く(@IT)

こちらは、当サイトでも取り上げたトーマツの消費税影響調査サービスに関する(宣伝?)記事です。

「今回は2段階の増税が予定されている上に、食料品などを対象とした軽減税率も検討されている。そのため「単純に税率のテーブルをセットするだけというのではなく、システムごとの対応方針を決める必要がある」と伊藤氏は話す。トーマツでは税務対応の方針を含めて具体的にアドバイスするとしている。「われわれの強みはグループとして税理士法人と一緒にサービスを提供できること。税法上の解釈にもアドバイスできる」(伊藤氏)。

 税理士法人トーマツの間接税サービス パートナーで、税理士の岡田力氏は「小売業は気を付ける必要がある。過去の3%から5%への増税時と異なるのは総額表示が既に義務化されていることだ。今回の増税の1つの課題になるだろう」と指摘する。その上で「対応の要になるのは、税率ごとの売り上げと仕入額をきちん把握し、申告書を出せるかということ」と述べる。」
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