会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

KDDI、シンガポール子会社のDMX社の不正経理問題で調査報告書を公表(marketnewslineより)

KDDI、シンガポール子会社のDMX社の不正経理問題で調査報告書を公表

KDDIのシンガポール子会社、DMX Technologies Group社で多額の架空取引が発覚した件について、外部調査委員会による調査報告書が公表されたという記事。

「DMX社で見つかった不正経理とは、DMXのCFOだったスキップ・タン氏主導の元で架空取引を行うことで過年度分の合計で約337億円の架空の売上を計上していたというものとなる。

その後、この不正経理は、主導したスキップ氏が香港警察当局に逮捕されたことから顕在化し、KDDIが組織した外部調査委員会により調査が進められていた。」

KDDIが並みの規模の会社なら、過年度訂正が必至でしょうが、2015年3月期で 33,798百万円を特別損失として処理済みだそうです。

外部調査委員会の調査報告書受領のお知らせ(KDDI)(PDFファイル)

監査人交代をきっかけに発覚しています。また、中国での取引で問題があったようです。

「KDDI 株式会社(以下「KDDI」という。)の連結海外子会社であり、シンガポール証券取引所に上場する子会社である、DMX Technologies Group Limited(以下「DMX」という。)は、2014 年(平成 26 年)12 月期決算の結了に向け、Deloitte Tohmatsu LLC(以下「デロイト」という。)に代わって 2014 年(平成 26 年)より同社の会計監査人となったPricewaterhouseCoopers LLP(以下「PwC」という。)による会計監査を受けていたところ、PwC から、DMX 及びそのグループ会社が関与する取引の一部に、その実在性に疑いのある取引(以下「本件対象取引」という。)が存在することが指摘された。」

「本件対象取引は、中国通信事業者ないし中国の CATV 事業者をエンドユーザーとし、通信機器等をサプライヤーから仕入れ、エンドユーザーに対してこれを納品、設置した上で、その運用から保守管理までのサービスを総合的に提供すること等を内容とする SI 事業を内容とする取引であった。」

サプライヤーからの仕入、エンドユーザーへの売上、それぞれの取引の中で代理店などが介在しており、そうした状況下で、実在性があいまいな取引が行われ、カネだけが動いていたようです(BS上は売掛金が積み上がる)。

日本でもよくある不正であり、中国だからということはないのですが、中国経済が不調になれば、こういう不正が増えてくるのかもしれません。
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