東証一部上場の昭文社で過年度の連結財務諸表等に関する誤謬が判明したというプレスリリース。平成30年3月期第1四半期の決算手続において判明したそうです。これを読む限りでは、不正によるものではなさそうです。
「当社では、 従来税効果会計においては繰延税金資産については全額否認、繰延税金負債のみ計上してまいりました。その様な中、平成27年3月期期末決算において土地等の減損処理に伴う税効果会計において、 減損に伴い発生する将来減算一時差異についても全額否認となるため、繰延税金資産は計上しませんでしたが、当時減損対象となった土地の中に、以前合併に伴い繰延税金負債を計上していた土地が含まれており、 正しくはその繰延税金負債を取り崩すべきところ、取り崩さないまま計上しておりました。この誤りを修正することに伴い、繰延税金負債の金額が460 百万円減少するとともに当期純損失の金額が同額減少、その後の利益剰余金が同額増加する可能性があります。」
たしかに、ひとつの資産について、繰延税金資産と負債が両方計上されている(このケースでは繰延税金資産の方は全額引当てされ計上なし)というのは不自然で、プレスリリースのとおり、まちがいだったのでしょう(基準や指針に特に何か書いてなければ)。
ちなみに、この会社は当期から監査人が交代しており(大手→中小)、過年度の訂正報告書については、訂正事項に重要性があれば、前任監査人にもみてもらわないといけません。そういこともあって、期限延長の必要が生じたのかもしれません。
公認会計士等の異動に関するお知らせ(昭文社)(PDFファイル)
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事