日興コーディアルの05年3月期と06年3月期で新たな不正経理が見つかったという記事。
このうち、06年3月期の不正は、「SPCの「NPIホールディングス」がベル社株を売却した際の売却益167億円と、別のSPCが他の企業を買収した際の24億円が過大に計上されていた」というものです。
この「ベル社株を売却した」いうのは、日経記事によればベルシステムにベルシステム株(ベルから見れば自社株)を売却したという取引のようです。ひとつ下の記事で書いたとおりの理屈で、たしかに不正な処理だと思いますが、会計基準のどれが適用になるのかというのが、まだよく理解できません。たぶんASBJの「その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理」だと思いますが、投資先の資本の内訳(留保利益と拠出資本の区分)がわからないのではっきりしません。
そもそも、原則どおり、ベルシステムまで連結していれば、こうしたややこしい問題は生じなかったはずですが、ベルまで連結すべきであるという意見は(1年前には結構議論されていたのに)なぜか下火になっているようです。
また、1月30日に公表された調査委員会の報告書では、こうした新たな不正についてはふれていません。会計士の立場からは、あるべき会計処理をつきつめないで、単なる犯人探しをしていたのではないかという疑問がわきます。
日興利益水増し:不正会計処理、恒常的か 東証の対応は?
会社のプレスリリース(PDFファイル)
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