名古屋の宗教法人興正寺が、2015年3月期までの3年間で約6億6千万円の申告漏れを指摘されていたという記事。税務だけの話ではなく、資金流出疑惑があるようです。
「関係者によると、興正寺は東京のコンサルタント会社に業務委託費を支払った。しかし、業務内容が不明瞭で、収益事業の経費に認められなかった。また、前住職が設立した英国の会社への貸付金に対する利息を非課税扱いの非収益事業としたが、収益事業に計上すべきだと指摘されるなどしたという。
前住職は12年、寺有地約6万6千平方メートルを中京大学(名古屋市昭和区)に売却。得た代金約138億円の使途などについて国税局が今年1月から税務調査を進めていた。大半は、さまざまな業務委託費として使われたとみている模様だ。」
宗教法人が海外の会社へ貸し付けを行う理由もよく分かりません。お寺も変にグローバル化しているようです。
土地を買った大学(やその会計監査人)の方も、支払ったカネがわけのわからないところに流れているとすると、気味が悪いのでは。
名古屋の興正寺、6億円申告漏れ 前住職の申告不備(産経)
興正寺、14億円差し押さえ コンサル社業務委託費未納(朝日)
「関係者によると、寺は前住職時代の2013年8月、コンサル会社と融資に関する業務委託の契約を約17億円で締結。14年4月には、委託費の支払いが滞れば寺の資産を差し押さえできる内容の公正証書を作成していた。」
興正寺の前住職、6億円で巻物購入 空海ゆかり、真贋不明(中日)
「八事山興正寺(名古屋市昭和区)が土地売却益138億円を巡り、名古屋国税局から申告漏れを指摘された問題で、梅村正昭(せいしょう)前住職(68)が高野山真言宗の外郭団体を名乗る東京都文京区の団体から、真言宗の開祖・空海(774~835年)ゆかりとされる巻物「御遺告(ごゆいごう)」を6億円で購入したことが、関係者への取材で分かった。
6億円は土地売却益から支払われたとみられる。書物の真贋(しんがん)は定かでないが、専門家は「同様の書物は多く存在し、通常では考えにくい高額の取引だ」と指摘する。」
お寺の正面にプレハブ「本堂」 罷免の前住職と対立の末(朝日)
「騒動の発端は2012年。興正寺が総本山の承認なく土地を売り、売却額の3%を礼録として納めなかった。罷免された前住職側は「多額の礼録を要求され檀信徒に負担を強いるのは本意でない」として総本山との関係解消を宣言した。」
(補足)
芸能事務所の名前も浮上した、高野山真言宗の内紛と「不動産トラブル」(現代ビジネス)
「名古屋国税局の調査で判明したのは、梅村前住職が行った破天荒としかいいようがない「不可解なカネの流れ」である。
梅村前住職が12年に売却したのは、中京大学に隣接した約6万6000平方メートルの土地で、同大学はこれを約138億円で購入。この資金が、都内港区のコンサル会社に約42億円、梅村氏が出資する英国法人に約14億円、都内大田区のコンサル会社に約5億円、都内渋谷区の芸能プロダクションに約1億3000万円と、野放図に使われた。
こうした税務調査の結果を踏まえ、高野山真言宗と、梅村氏の後任となった興正寺の添田隆昭住職(高野山真言宗・添田宗務総長が兼務)が、梅村氏を刑事告訴する方針を固めた。「興正寺問題に関する記者会見のご案内」が報道各社に回され、名古屋市のホテルで8月19日に開催する旨が記されていたが、その場で背任告訴が発表されそうだ。」
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