巨額詐欺事件の舞台となり8月の臨時株主総会で社長が交代したオウケイウェイヴ(名証ネクスト)を取り上げた記事。
記事前半では、詐欺被害の経緯などがまとめられています。
投資を決定したときの様子やその後の経緯。
「このときに契約書をチェックしたOKウェイヴの従業員は、「全体的に不備や雑な内容が多く、投資契約として適切な形をまったくなしておらず、問題点しか目につかない」と直言。常勤監査役も、過去の運用実績がわからないなど「問題は山ほどある」と考え、取締役会で疑問を呈した。
従業員の直言は、福田社長とともに今回解任された財務担当の野崎正徳取締役が、「契約締結できなかった場合の損失について責任が取れるのか」と封殺したことがわかっている。だが、常勤監査役の疑問の声については、前経営陣がどう議論したかは明らかにされていない。
社外取締役の廣瀬光伸氏が、レイジングブル(詐欺事件の投資先)への運用委託に前向きだったことも、前経営陣の意思決定に影響を及ぼしたとされる。
アプリ紹介サイトを運営するAppBankでCFO(最高財務責任者)を務めた経験を持つ廣瀬氏は、金融取引の専門知識が豊富だと期待されていた。ところが、廣瀬氏はレイジングブルの営業支援者という顔を併せ持っていた。レイジングブルに投資家を紹介し紹介料を得ていたのだ。
その事実を明かさずに廣瀬氏は、OKウェイヴの取締役会でレイジングブルへの運用委託に賛成した。このような行為が取締役としての重大な義務違反に当たると調査委員会は認定。報告書公表の3日後、廣瀬氏は社外取締役を辞任した。」
こういう社外取締役は、いない方がよかったのでしょう。
開示に関して訴訟リスクがあること(法律事務所が専用相談窓口を設けている)や、アップライツという会社への投資でトラブルが生じていることなどについてもふれています。
「新たな火の手も上がっている。音楽などのエンタメ事業を手がけるアップライツ社が舞台だ。2021年12月に子会社を通じて10億円で買収したが、アップライツは自己株の買い戻しで資本関係を解消したと通告してきた。買収後1年も経たずにアップライツは取引先への預け金などで約9億円の損失を出しており、杉浦氏は買収の経緯などを疑問視していた。
アップライツは、預け金の預け先はOKウェイヴが紹介・指定したと主張する。また、OKウェイヴが「反社会的勢力もしくはそれに類すると目される人物」を打ち合わせに帯同してきたため、関係解消に動いたとする。「反社」とは穏やかではないが、その点をアップライツに質問すると「氏名、所属、言動、過去に関係した事案についての情報を基に判断した」と回答した。」
監査するのが非常に難しそうな会社ですが、監査人は個人の会計士2名です。