3月4日に開催された「非上場会社の会計基準に関する懇談会」の議事概要が財務会計基準機構のサイトに掲載されています。
これをみると、金融担当、法務、経産省の副大臣や政務官が出席するなど、ある程度公的な検討の場となっているようです。
また、この懇談会で検討する項目としては以下のものが挙がっています。
(1) 検討の対象とする会社の分類
[第一案]
① 金融商品取引法の対象となる非上場会社の財務諸表
② 金融商品取引法適用会社以外の会社法上の大会社の財務諸表(計算書類)
③ 会計参与設置会社等の財務諸表(計算書類)
④ その他の中小企業の財務諸表(計算書類)
[第二案]
[第一案]の③と④を一つの分類とする。
(2) 適用される会計基準又は指針
「(1)検討の対象とする会社の分類」の各々の分類ごとに検討。
(3) 各々の会計基準又は指針を作成する主体
第1回ということでフリーディスカッションが行われたようです。方向性の異なる様々な意見が出ています。とても短期間で意見がまとまるとは思えませんが、「分類ごとに検討」することで、解決しようとしているのかもしれません。
以下、気になる意見をいくつかピックアップしました。
(税務との関係)
・中小企業の会計は、基本的に税務処理と一致又は十分に考慮する必要があり、確定決算主義を維持すべきである。また、会計処理に見積もりが要求される部分は、見直しが必要である。
・税務基準という会計基準はない。法人税法で損金算入が認められない退職給与引当金や賞与引当金が会計で不要ということにはならない。
(国際化への対応、基準の質など)
・国際取引を行わない中小企業にとっては、会計基準の国際化は不要である。
・非上場会社の会計基準は、簡便なもので足りるのではなく、非上場会社の会計の質が向上する仕組みや、採り得る会計基準の幅を認める仕組みが組み込まれるべきである。
・国策として、中小企業が優れた会計基準を使用する動機付けを行い、日本の会計の質を高めていくことが、世界から尊敬されるステップである。
(設定主体)
・中小企業の会計基準は、法律的な安定や信頼度の高さに鑑みると、中小企業庁が中心となって中小企業関係者等が総結集して作成する必要がある。
・中小指針については、従来の設定主体が引き続き対応し、会社法上の大会社については、非上場企業関係者の声を反映させることが大切である。
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