会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「修正国際基準(案)」の公表(企業会計基準委員会)

公開草案「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)(案)」の公表

企業会計基準委員会は、「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」(いわゆる日本版IFRS)の公開草案を、2014年7月31日付で公表しました。

非常に長い名前の基準ですが、国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準だけで構成されているわけではありません。一番大事なことは、番号のない「修正国際基準の適用」という基準に書かれています。

「修正国際基準の適用(案)」では、修正国際基準の構成と適用について以下のように規定しています。(なお、修正国際基準の定義については規定している箇所が見当たりません。)

「構 成

2. 修正国際基準は、以下から構成される。

(1) 本文書
(2) 当委員会が採択した国際会計基準審議会(IASB)により公表された会計基準及び解釈指針(以下、会計基準及び解釈指針を合わせて「会計基準等」という。)
(3) 「企業会計基準委員会による修正会計基準

適 用

3. 修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成する場合には、別紙1に記載した当委員会が採択したIASB により公表された会計基準等の規定に別紙2に記載した企業会計基準委員会による修正会計基準における「削除又は修正」を加えた規定に準拠しなければならない。

4. (読み替え規定)(省略)」

別紙1では、2012 年12月31日現在でIASB により公表されている以下の会計基準等を掲げています。

(1) 国際財務報告基準13 本
(2) 国際会計基準28 本
(3) IFRIC 解釈指針17 本
(4) SIC 解釈指針8 本

別紙2には、以下の基準名とそれらによる「削除又は修正」の対象が記載されています。

・企業会計基準委員会による修正会計基準第X号「のれんの会計処理
・同「その他の包括利益の会計処理

各基準案による「削除又は修正」の内容については、当サイトでは説明を省略します。

「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の公開草案の公表にあたって」という資料では、基準案の概要だけでなく、公開草案公表の経緯、エンドースメント手続の概要・意義、国際会計基準審議会(IASB)が公表するIFRS との関係、「削除又は修正」の判断基準、初度エンドースメント手続における検討(項目ごとの説明など)、適用時期などについてふれています。

これによると、今回の公開草案は、初度エンドースメント手続という位置づけであり、「初度エンドースメント手続終了後は、IASBにより会計基準等が公表される都度(又は一定の期間おきに)、それらの会計基準等について、エンドースメント手続を行うこととなる」そうです。

また、

・制度の適用対象となる企業
・制度の適用時期
・修正国際基準、日本基準及び指定国際会計基準の間の差異に関する記載の要否

については、修正国際基準が金融庁により制度化される段階で定められる見込みとされています。

(感想)

形式面ですが、番外地となっている「修正国際基準の適用」という基準は、「修正国際基準の定義および適用」というような名称にして、これを修正国際基準第1号とすればよいと思います(のれん以下は名称を少し変えたうえで番号をずらす)。(会計士の習性として、連番になっていないと不安なだけですが。)

内容面については特にありません。内容以前に、そもそも「公表にあたって」に書かれている「エンドースメント手続の意義」を読んでも、新基準制定に意味があるとは思えませんでした。
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