不潔なもの

女優の高木沙耶さんはハワイで素潜りを始めて
「体があるって、何て素晴らしんだろう」と思ったそうです

あのくらい美しい人ならそうなのでしょう

わたしは

身体って綺麗なものではないと思う
いくらお風呂に入っても臭くなる
垢は出る

いくらていねいに洗っても
頭は地肌からねっとりしてきて　かゆくなる

体は綺麗な物ではない
すぐ不潔になる

女優高樹沙耶さんのアスリート宣言
ベイエフエム／ザ・フリントストーン　2002年10月27日

いじめられる理由

就職氷河期の氷河に飲まれ
定職につけない息子たちがいて
しかもたまには用事で
昼間訪れたりすることもあった

それでも
売上　上げなければとか
我が職は大丈夫かとか
焦りもしない
脅威も覚えない

逆に驚異の社員たちだ

それでも
温厚な方の社員はまだいい

どうしてわたしはあんなことで
あの社員にどなられ続けなければいけなかったのだろう
どうして　家庭問題だか何の八当たりか知らないが
その対象に選ばれたのだろう

わたし　事業主の妻　経営者なのに

この女は強そうだから
いじめても大丈夫と思ったの？
それとも弱いから
いじめてもいいと思ったの？

とうとう自分でも驚くような
パニック障害様の発作が起きた

その怒鳴った社員の横を通るだけで
ひいいっと声が出るほど息が詰まった

心療内科で血液検査の結果
すでに下り坂で
治まりかけていたはずの更年期障害の
治療を受けなければならなくなった

発作にビビった半切れ社員は
それ以来どなったり
反抗的な態度はしなくなった
(一度だけ少しあった)

もうひとりの社員は
温厚なようで
多少むっとすることもあったけど
それもまるっきりなくなって優しくなった
彼とは普通になごやかに談笑もできる

それでも どうしてもわからない

子どものころ転校生だったのに
特にいじめられたことはなかった

おとなになってから
どうしていじめられるの？

１回目は３０歳前後
当時住んでいた市営住宅の隣の人に
１歳上のうちの息子がいじめるからと
子ども同士のことが原因で
けっこう長期間　しかとされた時だった

仕事量 エネルギー量

人ひとりの仕事量
その人の持つエネルギー量って
決まっていると思うんだ

それは人それぞれ
体力　性格　気力　で違ってくると思うんだ

その配分で人それぞれ
日々を暮らしているのだと思う

隣の奥さんは　やっているのに　とか
どこの奥さんでも出来ている　とか
言われても

隣の奥さんは娘の協力があるかもしれない
ほかの奥さんは夫の協力があるかもしれない

わたしは体力も気力も根性も
少ない方だと思うんだ

だから　できないことはできない

いくらよその人にできるからって
わたしができないことをできるとは言えない
言ったとしても　できないことに変わりはない

それは
隣の奥さんか　よその奥さんに
来てもらう以外にないだろう

息子３人　野郎ばかりの家庭で
手が回らないけど

最低着ること食べることはやってきたつもり
誰も手伝わないと わたしが文句言った？

文句言ったとしたら
できないことはできないのだから
そこは言わないでほしいということ

洗濯物持ち物の片づけは
各自自分ですれば散らからないはず

それを　へ理屈だと言ったね
全部おまえの仕事だと

でも
手が回らないものは回らない
そして自宅はごみ屋敷化してしまった

それとも
わたしは寝ずにでも
仕事と家事だけやってろってことだったの？

怒りがおさまらない その後

スティックカフェオレ
カップに粉を入れてお湯を沸かしたのに
捨ててカップ洗ってあった

カップを床に叩きつけても
血圧計を食器棚ぶつけても

怒りが収まらない

さらに　流し台の三角コーナー
常に水切りゴミ袋が目の前に用意してあるのに

ゴミ箱にゴミを移した後
ゴミが直にいれてあったり
かわりにスーパーのビニル袋が入れてあったり

怒りが収まらないまま
三角コーナーのゴミ
床にぶちまけた

さすがに見えるのはいやなので
タブロイドのタウン誌１枚かぶせておいた

眠たくならないので
もう１回夜寝る前の薬を飲んで
お風呂に浸かってから寝た

ゴキブリ来るかもしれない
夜中に数回眼は覚めるけど
起きて片付ける気にもならないし

起きれない

朝になって目覚め
着替えてキッチンに降りると

ゴミは片付けられ
カップと血圧計のケースは
テーブルの上に
優しく置かれていた

一度起きてきたのだ
その時母は何を思い片づけてくれたのか

よきも悪きも　そんな細かいことは
ほとんど記憶に残らない母

再び起きてきた母は
普通に朝の支度を始めた


そんな怒りの収まらないとき
どうしたらいいのだろう

暗い夜に外を走ってくればいいのだろうか

近くの内科で処方されたデパスは
飲み過ぎて酔っぱらって
えらいことになってしまった

二日間　記憶が飛んだのだった

一合炊飯鍋

生協のカタログで
陶器製の電子レンジ用一合炊飯鍋を
見つけて買った

使ってみると
硬めのおいしいご飯が炊けた

父が死んでひとり暮らしになった母に
持って来て見せた

使うというので置いて帰った

それから一度も使う様子もなく
キッチンの収納の奥にしまいこまれていた

自宅でわたしが
朝急いで１合炊きたいなと思うときにも
その鍋は手元になかった

使わないんなら持って帰るよ！

と言った時には
そんなものがあるなんて
母は忘れていた

いらないから持って来たんじゃない！
便利だと思ったから！

それから時は流れ
去年の夏 父の１３回忌だった

怒りがおさまらない

先週ずっと首凝り肩こり腰痛で辛かった

３連休まあまあ　ゆったり　まったり
休んで過ごした

少しは良くなったが今度はなんか
何かにつけ　いらっ　むかっ
腹が立つ

夜

スティックカフェオレ
飲もうと思って
カップに粉を入れて
ティファールでお湯を沸かした

ちょっと２階に上がってから
下りてきてPCの前に座り

おお　と思いだして
カップにお湯を注ごうとしたら
ない！

スティックカフェオレの粉
カップごとない

カップが洗ってふせてある

いくら強度の物忘れだからって
これから作って飲もうというのまで
中身を捨ててまで
洗ってしまうなんて

そうなんだ
わたしにカフェオレ飲むなってことなんだね！

それならカップを壊してしまえばいいんだね！
洋服の青山でもらった
大好きなキティのカップ
床に叩きつけたけど

壊れてなさそう

どうすればいいんだ！！
カフェオレも飲むなって

怒りが収まらなくて
母の使っていない血圧計ケースごと　
硝子戸は危ないから的をはずして
食器棚にぶつけた

ケースだけだったのか
床の上に中身が見当たらない

わかりました
きょうはカフェオレ飲みませんから

我慢します　水飲みます

納得いかないこと

７歳のころ
友達と３人で駄菓子屋でくじ付きの
１０センチくらいの糸の先に三角の飴がついたのを買って
なんと　私はそのくじが２回当たった

友達の一人が言った

２個当たったんだから
わたしたちに１個ずつくれればいい

何かふに落ちないまま
２個当たった飴　とられていた

わたしよりあとまで
飴をなめつづけている２人に
わたしは言った

あんたたち　ずるいね

そのことを提案した友達が

どうして？

と少しにやつきながら答えた

最初っからだまして取り上げるつもりではなく
本人も途中で気付いたのかも知れない

それから１０年
１７歳の高校生のころまで
思い出すと腹が立っていた

納得のいかないことって　
なかなか　忘れられない

節約か 身だしなみか

年を重ねてくると
明るい色を着なきゃなおさら老けて見える気がして

薄いピンク系のチェック柄のボタンシャツと
楽なウエストゴムのスラックス数着で過ごしてきた

５年前　５０歳の時
緊急クラス会があって
久々に新しい服を買った

人から見たらただの普段着みたいな服だけど

日本には四季の季節があり
季節ごとの服が必要で

平均するとひとりが５年間
ひとつも買わなくても大丈夫なくらいの
衣服を持っているそうだ

わたしは　その５年間を
軽く超えてしまっていた

２年前から

両腕が痛いとか
身体がきついとか
首凝り肩凝り腰痛とか

病院に行き始めて
着古したボタンシャツの袖口が擦れて
糸の縫い目が浮いているのに気付いた

恥ずかしい

ここまで着たら
いくら余裕がないって言っても
節約の域を越えて
身だしなみの問題になってきている

去年から
通販のセシールで好きな服を選んで
少しずつ買い始めた

スカートとブラウス

子どもたちが小さかったころ

もうジャンパースカートが流行ってないときに
黒のジャンパースカートを探して
デパートを全部と小売りの洋服店見て歩いたけど
ジャンパースカートひとつもなかった

あったかもしれないけど
わたしがイメージする
白のブラウスの上に着て
入学式に出れるようなのはなかった

まだ若かった母が
例の行きつけの洋服屋さんから

これはどうかと

おばあさんのような
ただの黒いスカートと白いブラウス

預かって帰った

全然着たくない

妹が

買ってもらえるんならいいんじゃない

といったものの

でも　これだけで４万円よって言ったら

え～～！これが４万円！！？
それじゃあいらんわ！

ってなって　お返しした

スーツが買えるじゃんね！

なんか親子でも　育ちが違うせいか
経済観念合わない

ていうか　おかしいだろ！おかあさん！

お風呂

会社の駐車場の隣の奥さん
数年前　お風呂で
座った恰好のままで口が浸かって亡くなっていた

娘か嫁のようにKEIちゃんKEIちゃんと呼んでくれてた
お料理上手でいつもおすそわけがあった。

駐車場のお掃除いつもしてくれた
駐車場の管理人さんみたいだった

近所人たちの話では
いつも夫婦で酒飲んで大喧嘩していたとか

酔っぱらってお風呂入ったのかなあ
それをおじさんが後ろから押さえたのかなあ

奥さんと親しかった人は疑っていた

更年期障害治療中
精神不安定で心療内科のお薬飲んでると
いつかわたしもお風呂で死んじゃう気がして

もう死んだっていいんだって
投げやりな気持ちの時は
お風呂やめとくんだ

最初に誰が発見するかとか
考えるとね

スタイルの悪い裸を見られるとか
そういうことじゃなく
どれだけショックを受けるだろうと考える

頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア

首の骨のヘルニアです

軽い方らしくて　MRI検査の結果
将来入院や手術の心配はありませんと
いうことだった

ほっとくしかないということですね
そう解釈してその日以来
治療にも通っていない

ほとんどの事務仕事を助手(アルバイト)がやってくれるので
以前ほどには首凝り肩凝りも
ひどくはならない
内科で出してもらうロキソニンテープもある

けれども
先週休み明けからだんだん
首凝り肩凝りが辛くなってきた

夏布団を丸めて足置きにして寝たり
枕の代わりにタオルケットを丸めて
首をそらして寝たり

しんどい

土曜日の午前
内科で訴えたけど
血圧や顔色や状態がよかったのか
点滴しますかとも言われなかった

午後から行った心療内科でも
話の最後に訴えたが
痛み止めは出ない

トイレットペーパーが残り少なくなってやばい
家のと会社のと使用中のまで合わせて４個

それを言ったら夫が
買い物行きたいんなら行こうと言った

行きたくなんかない！
行かなくていいんなら行かない！

行かないわけにはいかないから
行くんだ！

ぷち喧嘩売ったけど高かったのか
相手にされなかった

そういうことをやめてくれと
息子に言われている

それでも
首凝り肩凝り辛いのに
買い物に行きたくなんかはないのだ

不機嫌なのだ

それから買い物に行って
１週間分
大小２箱分買って帰った

応接室

３連休最後のきょう
キッチンの掃除機かけてて
ふと思い出した

数か月前
会社の電話機を入れ替えたとき
食器棚の後ろにあった古い電話の装置が

メンテがしにくい
新型は事務所内に設置可能
という理由で取り除かれた

うまく空いたスペース

そこで長男が便利なように
キッチンの配置替えをした

ところがせっかく長男が
重たいのに食器棚２台とスリム棚１台
移動させたのに母は気に入らない

本人の前ではいい顔して

まあ　ありがとう
これで便利になったわ～

わたしには

これじゃあごちゃごちゃした棚の中が丸見え
食器棚と入れ替えてもらわんと

じゃあ　息子に頼んで
また元に戻してもらおうね

このくらい今まで自分ひとりでやってきた

じゃあ　やれば！

ほんとに食器棚を両手で引っ張り始める

８０歳要介護１

そんなことして
あとでどうなるかわからない

今までできたことが
これからも同じようにできるわけがない

第一いくら聞かないからって
そんなことさせたらわたしが息子に怒られる

じゃあ　今から息子に電話かけて
やってもいいって言ったらやって！

目の前で電話をかけた

事務所の奥の自宅キッチンだけど
プライベートに人が来たら
招き入れるのはここである

ここは応接間のかわりやから
あんまりごちゃごちゃしてたら
感じ悪い

応接間ぁ～～！！！？
どこのお屋敷や
そんな言葉今どきめったに聞かんぞ

キッチンはキッチンや！
仕方ないじゃん！

翌日　小柄な長男がまた
重いのにひとりで
食器棚とスリム棚　置き換えた

週４デイサービス
週１ヘルパーさんとお買い物

契約やら更新やら定期訪問で
頻繁に人が来るようになった
同じ方々だけど

おまえは老けとる

夫は背が高かった

１７６センチ

出会ったころ
当時にしてはかなりの長身だった

ふたりで繁華街の人ごみの中を歩くと
頭ひとつ抜きんでていた

商店街を歩きながら
隣のカレシを見上げると
彼の顔と一緒にアーケードの天井が見えた

そのわりは　ひょろんとに痩せていて
そこまで大きくは見えなかった

ところが結婚すると
食生活が変わったせいか
年々順調に体重が増していった

やせっぽちから
標準体重を越していった

毎年季節ごとに

服買いに行こう

と言っては次々服を買うのは
わたしではなく夫だった

普通は女である妻が
服を増やしていくと聞いていたが

わたしは息子たちが小さい間
家にいるのでそんなにまで服がいらなかった

新しい服が買えなくても
今までの物で

冬寒くなければいいし
夏暑くなければよかった

長男が幼稚園に行き始めると
幼稚園の参観日や親子遠足のため
少しは買わないといけなくなった

ある冬は１００００円でスラックス３本
次の冬に１００００円でトレーナー３着

夏は冬の半分の予算で済んでいた

でも少ししかないので
家ではいつも同じ服を着ていた

そんな３０歳にもならないある日のこと
夫が言った

おまえは老けとる

ええ！！！
その頃からいつも若く見られていたのに

いや　いつも同じ服を着とる
老けとる

・・・。
いつ服買ってくれた？！！
よそ行きの服ばかりたくさん買う
浪費妻がよかった！！！？

服なんてろくに持ってなくても
充分若く見られていたし
今でも　若く見える　と言われ
真に受けているのである

ラジオ体操

やあ～～～な思い出あるんです

まだ長男が小学生だった頃だった

夏休み　毎朝のラジオ体操
子ども会の当番で備品のラジオが持ち回りだった

前日の人からラジオ受け取って
そのまま翌日の朝持って行ってかければ
ラジオ体操が始まるはず・・・

なのになかなかラジオ体操の唄が始まらない

おかあさんのひとりが

どうしてラジオ体操しないの？って

言って来てくれて気づいた

親が知らないうちに
小さかった弟が勝手に触っていたんだね
ラジオのダイヤル

あわてて慣れないチューニングして
なんとか途中からラジオ体操始めたけど

触ったら触ったと言ってくれ！我が息子！

いやみ女

いやみ女が朝から現れた

ご飯あるよ

ああ暑い

歩いたら暑いじゃろ
汗かいたね
おしぼりしてあげようか？

いらん

いやみ女　タッパーにご飯を詰めると

洗剤がなくなったからちょうだい

買い置きがないんだけど…
簡保のおじさんがくれた
液体ならあるけど

液体は使い方わからん
老眼で目盛りが見えん

使い方なんか自分が思うだけの量でいいんよ
書いてある通りにしたら多すぎて
すすいでも泡が取れないでしょ

アタックがいいんだけど高いから
スーパーで安いのを買ったら
泡が立ってなかった

じゃあその方がいいじゃん！

外で働いてドロドロに汚れるわけじゃなし
そんなには汚れないでしょ
臭いがとれたらいいんだから

洗剤会社は洗剤を売るの！
だから多めに書いてあるの！
そのとおりなんかしなくていい！

事務所奥のキッチンの硝子戸
ぱしっと締めて
事務所に避難した

いやみ女は

じゃ　帰るね　と

液体洗剤１本持って帰った

わざわざストレス与えに来る

いったい何が目的！？
そんなにわたしが憎い？

どうして！！？