親切なクムジャさん(2005)

ＤＶＤを借りていたので観ました。
公開当時、あのポスターの赤いシャドウは印象的でした。
「復讐者に憐れみを」　←未見
「オールド・ボーイ」　←ショッキングでした
その出演者たちもちょっとした役で出演しています。
パク・チャヌク監督の“復讐三部作”完結編。
青龍映画賞の最優秀作品賞、女優主演賞をはじめ数々の賞を受賞。
人の闇の表現を、排他的にも見える美しい描写がかえって怖く見せている感じがします。
本当は怖いグリム童話とか、マザーグースとか一時流行ったけれど、ああいう雰囲気というのか。。。
キツいシーンはありますが、見せ方はさほどグロくないです。
イ・ヨンエさんは、チャングムの清純なイメージからの脱皮が狙い通りに上手くいっていて素晴らしい。
制服姿のヨンエさんも可愛かったです。フフフ
音楽も良かったです。
チョ・ヨンウクさんは、「カル」「ＪＳＡ」「ラブストーリー」「サイボーグでも大丈夫」なども担当しています。

　・ＯＳＴ 「OST/親切なクムジャさん」（韓国盤）
　・ＤＶＤ 「親切なクムジャさん」
　　「パク・チャヌク リベンジ・トリロジー」　←いいかも！

＜公開時コピー＞　「最後の復讐が、一番哀しく、美しい。」
＜あらすじ＞　天使のような美貌の持ち主クムジャは、幼児誘拐殺人の罪で投獄される。
刑務所では誰に対しても優しい笑顔を絶やさず、“親切なクムジャさん”と慕われていた。
しかし、彼女の目的はただ一つ、ペク先生に復讐を果たすこと。
ひょんなことからペク先生に幼い娘を人質に取られ、彼の代わりに罪を背負わされていたのだった。
そして１３年の服役の末、ようやく出所した彼女は、かつて恩を売った囚人仲間のもとを訪ね、
ペク先生への復讐へ向けて周到な準備を進めていく。。。
イ・ヨンエ ・・・・・・・イ・クムジャ
チェ・ミンシク ・・・・ペク先生
クォン・イェヨン ・・・ジェニー（クムジャの娘）
オ・ダルス ・・・・・・チャン （パン屋主人）
キム・シフ ・・・・・・クンシク（パン屋店員）
イ・スンシン ・・・・パク・イジョン（ペクの妻）
キム・ブソン ・・・・ウ・ソヨン（鉄工所経営、元銀行強盗）
ラ・ミラン ・・・・・・・オ・スヒ（彫像アーティスト）
ソ・ヨンジュ ・・・・・キム・ヤンヒ（美容院経営者、元売春婦）
キム・ジング ・・・・コ・ソンスク（元北朝鮮スパイ）
コ・スヒ ・・・・・・・・魔女
キム・ビョンオク ・・伝道師
ナム・イル ・・・・・チェ班長 刑事
ナム・ソンウ　・・・ウォンモ（誘拐された少年）
友情出演
オ・グァンノク　・・・セヒョン父
カン・ヘジョン ・・・ニュースアンカー
ユ・ジテ ・・・・・・・成長したウォンモ
ソン・ガンホ ・・・拉致犯１
シン・ハギュン ・・拉致犯２
（↓　以下ネタばれあり）☆☆☆☆★

刑務所内での、クムジャが親切をほどこす相手の人物紹介が上手くされていました。
長すぎずテンポも良かったし。
吐くまで食事を与えているエピソードは「セブン」を思い出しました。
腎臓を提供したりも凄い。
出所したクムジャに伝道師が豆腐を差し出しますが、
韓国では二度ともう戻らないように厄を落とすという心身を清める意味があるようで、映画やドラマに度々出てきます。
クムジャは「余計なお世話です」と言い、豆腐をひっくり返して立ち去りますが。
「早く死んでね」「あと一人殺すつもり」
と言うクムジャは“氷の微笑”という言葉がピッタリ。

復讐と贖罪をしようとしたクムジャ。
ペクが誘拐殺人の常習と知って、その子供たちの身内も呼び、
ペクが子供たちにどうしたかを見せて、どうするかを委ねる。
その話し合い一部始終を別室にいるペクに聞かせる、というのも怖かったなぁ。
そしてこの一般の人たちが憎悪と良心との狭間に揺れ、手を汚していく様はほんとうに怖かったです。
ある少女の祖母は特に凄みがありました。
果たしたあとも複雑な表情を見せるクムジャは辛そうに見えました。
犯した罪はどう償えるのか。憎しみはどうすれば晴れるのか。

クムジャは養子に出ていた娘と再会、一緒に韓国へ戻りますが、
養父母もそのあと韓国に来て三人で寝ているシーンの煙は、どういう意味だったのでしょうか。
その辺りがいまいちよくわからなかったのですが。。。
成長したウォンモ（霊）がクムジャの前に現れた時も煙が出たので、関係あるのかな。
クムジャにとって娘がその赦しの証のように感じて、少しだけ明るい気持ちで観終えることができました。
　←このバージョンもかっこいい