初めに逃げを打っておきます。
思い付き派です。
音の元は振動です。普通、空気を通して伝わります。
水中も伝わります。個体を通しても伝わります。
自分も書いていながら、どう説明して良いか分かりません。
以下をお読み下さい。
-第2回 音響の基礎:音の発生と伝搬- 財団法人 小林理学研究所 加来 治郎
スピーカーユニットの振動板が動くと、空気も動きます。
音の大きさ(エネルギー値)は、スピーカーユニットの空気の塊(振動板面積✖️振幅量)✖️振幅数の積で決まる。
低音は空気の塊を大きな振幅で低い振動数(振幅回数)で動かす。振動板の面積は大きく、丈夫でなければならない。必然的に重くなる。
高域は空気の塊を小さな振幅で高い振動数で動かす。高い振動に追従するためには軽くなければならない。丈夫でなければならない。
高域は空気の塊を小さな振幅で高い振動数で動かす。高い振動に追従するためには軽くなければならない。丈夫でなければならない。
軽く(高振動できる)、丈夫(撓まず)であることが重要です。
ダイナミックスピーカーを例にあげます。
振動板の運動源はその最内周にあるコイルの動きである。その動きに正確に追従する丈夫で軽くなければならない。
スピーカーユニットの振動板は「丈夫さ」と「軽さ」と言う相反する条件を両立させねばなりません。
薄いのバルサ板(軽い板)の中央に穴を開け、永久磁石の棒を通し、バルサの最内周にコイルをつけて、電流を流せば、コイルは動く、連動してバルサは前後に動く。音が出る。低い周波数ではその通りに動くでしょう。低音は出る。しかしある程度の周波数に高まると、コイルは動いても、バルサはコイルの動きについていけなくなる。音は出ない。エネルギーは熱として逃げる。
バルサの代わりに薄い紙を振動板にしたらどうでしょう。この場合、振動板の動きはコイルの追従する。但し、内側部分だけが動き、他の部分は勝手に自由振動を行う。振動板の強度が足りないからだ。勝手に動くのを分割振動と言う。
スピーカーユニットには「丈夫さ」と「軽さ」が要求される。これは現実の素材の前では相反することです。
小口径であれば、上記の条件をある程度満たす。しかし、軽量であることはF0(最低共振周波数)が高いこと。低域は出ません。
小口径は振動面積が低い。振幅量が取れない。つまり、能率は低くなります。
一つのスピーカーユニットで全体域をカバーしようするフルレンジユニットは口径16cm程度になるようです。低域は程々で我慢。高域はそれなりに伸びているが実は分割振動で伸ばしている。
超高域(10,000hz)以上に楽音は含まれていないので、分割振動でも良いのかもしれません。耳はそれ以上(20,000hz)程度まで聴こえそうですが。実音と言うより雰囲気を聴いているのかもしれない。
よって、それぞれの帯域にあった構造のスピーカーユニットを組み合わせて、スピーカー(システム)を造るの普通です。
低域ユニット=広面積、丈夫=重い。高域ユニット=小面積、丈夫=軽い
ホーン型はメガフォンと同じ。指向性が高いから、能率が高いと言う説明がよくされるけれど、その通りなのだけれど、振動は空気の塊が動くことでもある。空気の塊がホーンで囲まれているので周囲に拡散されずに効率良く、動くからだと思う。(私見です)
ホーンには大きさがある。ホーンに囲まれた空気の塊の大きさが違う。空気には重さがある。大きな重いものは動きにくい。ホーンが大きい、長いと空気は動きにくくなる。ホーンは中音以上に使うのが一般的ですが、低音用ホーンも出来るのです。高域用ホーンは短い。小さく短くないと、高音は出ません。
オールホーン型スピーカーシステムも可能
低域用から高域用までオール・ホーン式スピーカーユニットは出来る。
問題は各帯域を受け持つスピーカーユニットの振動板と試聴位置との距離差が大きくいです。低域ホーンからの音は遅れる。
今はデジタル時代。近距離振動板にディレイ(遅延)を掛けられるので、電気的に位相は揃えることはできるでしょう。
いずれにしても、とても大掛かりなスピーカーシステムになりそうです。
ALTEC A7等は、ショートフロントロードホーンの低域、やや大振りなホーンの中・高域用を組み合わせて、振動板の位置を揃えているはデジタル補正をせず済む。視覚的にも振動板の位置が揃っている。よく出来たスピーカーシステムと思います。