12月8日、50年位前に高崎市(群馬県)にあったクラシック喫茶「あすなろ」を懐かしむイベントが「高崎市中川公民館」で開催されます。
その一環として、当時の音を聴くようです。
「あすなろ」の遺産は「高崎歴史民族資料館」に保存されています。
イベント開催準備のため、「高崎歴史民族資料館」に行きました。自分も同行しました。
大型スピーカーと膨大だったLPレコードの一部が残っていました。
スピーカーシステム以外の再生機器はその後の代替品のようです。
イベントで使用予定の「麗しの管球アンプ」(出力 2W+2W)でスピーカーシステムの仮音出ししました。
スピーカーユニットのエッジは経年劣化で失われ、低音はスカスカです。
エッジの張り替えは可能かもしれません。どこに依頼するか、費用の捻出をどうするか。
張り替えれば、オリジナル性は失われる。現状のまま、小音量で鳴らす方向で決まりました。
スピーカーシステム以外は初めから代役を立てる計画だったようです。
時代背景に沿って使用するアンプは管球式アンプに決めた。
「高崎市北部公民館」公開講座の「麗しの管球アンプ」の講師に白羽の矢が立ちました。
○管球式アンプの決定
スピーカーユニットのエッジが欠損している。スピーカーの保護の意味からも小出力のアンプが良い。
予定通り、「麗しの管球アンプ」に決まりました。
「麗しの管球アンプ」には、LPレコード再生に必須な「フォノイコライザー」が付いていません。
アナログ世代の生き残りである自分に話が回ってきました。
自分の役割はLPプレイヤー(とカートリッジ)、フォノイコライザーを用意すること。
○レコードの選定
LPレコードの状態(「反り」「傷」等)を目視で選び、一晩借り出して、「簡易クリーニング」をしました。
盤面傷が多く、摩耗も進んでいました。
音出ししました。傷音、スクラッチ音は多いものの再生には問題ないことを確認しました。
貴重な文化財なので、翌日返却しました。
イベント当日に改めて借ります。
○LPプレイヤーの選定
イベント当日に持ち込む。小型、軽量で、無調整で直ぐに使えるものが望ましい。
愛用のLPプレイヤー LUXMAN PD-350(ベルトドライブ式、レコード盤吸着式)
精密機器。重くて運搬が困難。トーンアーム(SAEC WE407 )の調整がシビア。 落選
第1候補は部屋の隅に放り出していた小型軽量のベルトドライブ式LPプレイヤーでした。
劣化していたターンテーブル駆動ベルトを交換、トーンアームを調整をしたのですが、気に入りません。廃棄
次は、レンタル倉庫で眠っていたNEAT P-88H(リムドライブ式)
50年位前の製品。時代的に見れば、今回のイベントにピッタリです。
ストロボコープで回転数をチェックしたところ、ストロボが少し流れる。回転の調整が必要なことが分かりました。回転調整方法が不明。
装着されているのロングアームは重量級のカートリッジ向きらしく、手持ちカートリッジ(シャル付き)では軽過ぎてバランスが取れない。ヘッドシャルに硬貨載せる等の工夫が必要。
アームリフターがなく、手で上げ下ろししなければならない。うっかりミスで貴重なレコードを傷つける可能性がある。
大きくて重いので運搬が大変。落選(次点)
最後はこれだろうと思っていたものがあります。
このイベント企画が持ち込まれる直前に他家に嫁いだLPプレイヤーです。
出戻りさせることは躊躇しましたが、他の案がなくなった。
嫁ぎ先に尋ねたら、未だ、控室にいると言う。
お色直し(再調整)も含め、一時里帰りさせました。
DENON製 コンポーネントLPレコードプレイヤー
ターンテーブル:DP5000 アーム:DENON製 型番不明
回転チェック、アーム調整、各部清掃後
木部ベースに日焼け跡がありますが、他は比較的綺麗です。
回転制御はクオーツロック式。ストロボスコープで確認しました。異常なし。
ヘッドシェルの締め付け部が少々甘いのが難点です。
「テストレコード」でチェックしましたが、異常はありませんでした。
当選!
ターンテーブル表
ターンテーブル 裏
スピンドル部
回転時の異音はありませんでした。スピンドルにオイル(Technics SP10Ⅱ用)を少し注しました。
清掃直後
本体表面の周囲の色が濃いのは日焼け跡です。
タンテーブルゴムシートに清掃時の濡れが残っています。百円ショップのクリーニング用品を使いました。
○記念撮影
後方右 LUXMAN PD-350 ベルトドライブ 落選
前方左 DENON DP5000 ダイレクトドライブ 当選
前方右 NEAT P-88H リムドライブ 次点
○LPレコード再生用カートリッジの候補
当時のNHK御用達カートリッジDENON DL-103 (MC型 丸針) とSHURE M447(MM型 太丸針)を用意しました。
共に古い設計のカートリッジです。新品購入後、試聴程度の品。コンディションは良好です。
どちらにするか。イベント当日に決めます。
○フォノイコライザーアンプ
管球式アンプの時代。管球式フォノイコライザーが望ましい。
手元にあるフォノイコライザー内蔵の管球式プリアンプ Quick Silver pre amp(米国製)をチェックしました。
暫く放置状態にありましたが、動作に問題ないことが分かりました。半導体全盛時に合理的設計された米国製管球アンプ。今聞いても新鮮な音がします。
小型の「麗しの管球アンプ」と組み合わせるには仰々しい。古き良き時代を懐かしむイベントの趣旨には合わない。 次点
「麗しの管球アンプ」の前にそっと置いても目立たない小型の「半導体式フォノイコライザー専用アンプ(国内ガレージメーカー製)」に決めました。 当選
○BGM
イベントではBGMとしてCDを流す予定です。
CDトランスポート、DACは自分が用意する方向で進んでいますが・・・今の時代・・・流し放しにするなら、パソコンミュージックが良いかも・・・要検討です。
BGMは不要かも