と思ったものの、和紙のことを全然知らないので、まず全国にある和紙、和紙産地について調べました。
和紙見本帳を広げては好みの和紙を見つけ、
産地の写真を見てはその暮らしを想像したり。
仕事場の近くにあった伝産協会に行って産地組合のリストをもらい、電話をかけて求人の有無や和紙のこと、交通や暮らしなど問い合わせ。
皆さん答えはおなじ「やめときなさい」でした。が、唯一越前だけは違いました。
まずは冬の仕事なので真冬に仕事場を見に来なさい、真冬の水仕事、慣れない雪かきやほぼ曇ってる日本海の天気など実際に見てから決めても遅くはないでしょうと。
しかし!母は秋田出身で小さい頃から毎年遊びに行っていたし、当時の趣味アルペンスキー観戦で寒い中じっとしてる(してない)ことに慣れていたので、寒い所や冬の仕事には何の不安もないどころか、越前ガニの季節だから絶対に蟹を食べて帰ると言うことしか考えていませんでした。
越前は三六判や四六判など襖や日本画用の大きな紙から、一人で漉く小紙と呼ばれるサイズ(菊判なので小さくはない)など大きさは様々。
また種類の多さも全国一でしょう(松尾調べ)
組合の局長がとても親切で!大紙小紙幾つかのこうばに案内してくれました。従事者は他所のこうばへ行くのは御法度なので、この時に色々見せて貰えたのは貴重でした。
小紙が漉きたい!と言う気持ちが強くなり、紹介してもらえることに。
しかし一件目は病欠してる方が戻るかもしれないから席を空けておいてあげたいと。
理想的な所だったのですが、その暖かい気持ち大事とあっさり諦め、お隣のこうばに勤めることになりました。
そのこうばには舟が5台、乾燥はムロと乾燥機、白い紙も染め紙も漉き、手揉み紙を得意としていました。楽しそう!
入ってすぐは、紙の間に挟む布を洗い被せ揉み紙を揉む。一日に300枚ほど漉き上がる揉み紙用の紙。ひたすら揉み揉み。粗すぎてもこまかすぎてもだめ。揉み方を考えながら揉み揉み。これで紙漉きに必要な握力がついたなと思います。
紙漉きは重労働!体力筋力をつけて関節や筋など怪我をしないよう、身体作りはとても重要なのです。
現在私の代表紙の一つである揉み紙はここで学んだものなのでした。
つづく
#凛九 #和紙