和紙の世界に入ったきっかけ
跡継ぎでもなく産地生まれでもないのに
なぜ和紙を漉いているのか?
それは障子紙でした
バイクに乗りたくて免許をとり、
一目惚れ購入したカワサキ「エストレア」
当時ホテルマンだったので平日休みの為友人と休みが合わず一人ツーリング。
気になった街を散策したり、展示会を見に行ったり自由気まま。
歴史があって趣のある建物はその時から好きでした。
そんな時に知った新宿OZONEはおしゃれな建築やインテリアがキラキラと輝いてる場所。そこで「あかり」展が開催されるというのでワクワクして行きました。
博物館が好きで、旅に行くと必ず寄るんです。当時の生活が伺えて、様々な工夫が知れたりして、思いを馳せるのがいい。
会場には松明から行灯、燭台、提灯、電球、蛍光灯等の灯りがズラリ並ぶ。
生活様式に合わせて変わっていく灯りはとても面白く興味深い。
一画に和室が
閉められた障子の向こうの灯りが動く。
低い位置からあらわれる白んだ光
次第に強くなりハッキリと差す光
徐々にまた弱くなり赤味を帯びた光に
これは一日の太陽の動きだ。
障子は閉めていても外の様子がこれほどまでにわかるものなんだと、
とても衝撃を受けました。
「紙一枚」分の隔たりは、丁度良い。
完全に閉ざすことなく外と繋がり、
開放することなく取り込み拡散した光は
直線で出来た緊張感のある間を柔らかく照らす。
和紙って何だろう
今まで建具の一つだった障子から和紙にピントが合った瞬間。
それから和紙のことを調べれば調べるほど奥深く面白くわからなくなる。
実際に漉いてみなくちゃわからないと、埼玉県小川町の紙漉きスクールを受講しました。
とても楽しく難しい。
もっと知りたいと友の会に入会し、楮畑の手入れやかずひきなどのワークショップに参加し時々自分で漉いてみたり。
今までにない充実感を味わい、和紙製造の仕事に就きたくなりました。
しかし今まで散々小川町の方々にお世話になり、小川町で働くかと思いきや、
何故か越前に行くのでした。