起き上がるのは勿論、寝返りすら苦痛で大変な日々を過ごしました。
ずっと寝ていても身体が固まってしまい良くないと、痛み止めを飲んでマッサージにも通い、痛みをこらえてストレッチ。ようやく出歩けるようになった頃、ある展示会を見に行きました。
擬革紙の今昔
擬革紙って聞いたことありますか?
初めて聞いた方の方が多いと思います。
昔皮革が高価で手に入らなかった時代、
和紙を加工して革のようにしたもの。
三重県の玉城町、明和町で作られていたそうで、一度途絶えてしまったのですが、熱心に研究し再現させたそうです。
文化、伝統、慣習など、途絶えてしまったモノコトを再現するのはとてつもなく大変。
凄い熱意をもって取り組まれたんだろうなと。
今回伊勢和紙の方々にご案内いただきました。
伊勢和紙は、その昔美濃から職人が指導に行き出来た産地。その為百年以上たってるのにとても尊重してくれてて、有難いことです。(私は美濃に血縁者はいませんが・・・)
しかし二人もお供にとはなんて贅沢で偉そう!
まずは工房の方へ(と言うか工房で待ち合わせ)
美濃から職人が来ると言うことで勢揃いで待ち構えていてくださった様子。
おおぉ、私ですが良いんでしょうか・・・
最初はかたかったものの、和紙の話、作り方の話、薬剤の話などアレはどうだ、これはちょっとなど情報交換。とても盛り上がりこのまま飲みながら話したいね、なんて。こういう話してるのがとても好きで幸せ。
作り方も教わり、実際に作らせていただきました。
縦横とシボを入れるとA4の紙がB5位に縮みました。綺麗に入るもんだなあ。
東大寺の二月堂の紙衣を作る話とか、
擬革紙の作り方の本には書いてありましたが、やはり実際に見て、自分の手で作ってみると理解が全然違います。
ああ楽しすぎる!!!
ですが長居もしてられず次へ移動。
擬革紙の製造を始めたと伝えられる
三忠さんへ
当時の本物の擬革紙や、
煙草入れに加工したもの、
金唐革紙を加工したものなど。
触らせていただいて、、
壁紙に使われている金唐革紙もその擬革紙の一つ。これは漆や箔を使い、彩色をしてあるのでとても華やか。
あれもこれも貴重な品物がズラリと並び、クラクラしてきます。
そして見つけました。
美濃の紙を使っていたという御札
ここにもご縁がありましたね。
「川上から川下へ」という言葉がありますが、
長良川を下っていくとそのものが見えてきます。
川上の方で紙の原料が作られ、中流域の郡上美濃周辺で紙になり、それが岐阜に運ばれると和傘や提灯、団扇などに。それが尾張で広がって。
更に更に紙は川を下り、鈴鹿に行くと伊勢型紙になり、更に海へ出て伊勢について擬革紙になって。
マーケティング戦略の用語がそのまま見本のような形になっているのです。
ワクワクが抑えきれませんが、時間もないので目当ての展示会場へ
作り方や道具、商品などを
まさに今昔がわかりやすく展示してあり、
とても楽しい内容。見たモノはすぐに実験してくなってウズウズ。
この一日で見たモノ聞いたこと、経験させていただいたことがとても大切な宝物になりました。
和紙で繋がるこのご縁を大切に
ものづくりを楽しんでいきたいです。
ありがとうございました!