今年は美濃にきて丸15年、
職人の世界に足を踏み入れて20年になります。
また本美濃紙保存会の研修生として、10年を迎えます。
保存会では毎年夏に全体研修をし、
秋から冬にかけて個人研修を行います。
全体研修で客観的に自分の技術に足りない部分や、逆に強い部分を自覚し、それを課題として個人研修に臨みます。
今年は落ち着いて集中し、しっかりと良い紙を作りたい!そんな意気込みで始めました。
工程は多く、全てを一人で行います。
まずは
乾燥した楮を水に浸けふやかします

束をほどき水の中で楮を振り、チリを取り除きます

万編なく太陽を浴びる

あげ晒し 乾いた砂利に重ならないよう並べて、太陽を浴びる。
乾燥してしまう前に水に戻します。

アルカリ液で煮る
薪で煮るので火加減慎重に

ちり取り 樹皮や、硬くなったり変色した繊維などを取り除きます


ちり取り 樹皮や、硬くなったり変色した繊維などを取り除きます

ちり取り
明るい日はちり取り日和


ちり取り
一本一本表と裏チェックします

ちり取り
中には赤筋だらけのものも

見直し
一度ちり取りをした楮をもう一度見直し玉にします

叩解 なぎなたビーターを使用して繊維を解します

舟をたてる 舟に水、楮、トロロアオイの粘液を入れて混ぜます


紙を漉く 桁に簀を挟み紙を漉きます

紙床 漉いた紙を重ねていきます

圧搾 重ねた紙をジャッキなどで水分を絞った後、紙を干します

乾燥 一枚一枚はがして板に付け、天日で乾かします

全ての工程を休みなく行うのが理想ですが、お正月休みや組合の行事、凛九の催事など色々な予定があり、一ヶ月半かかってしまいました。
板干しはお天気次第なので予定は未定。
提出期限があるのでハラハラしましたが、何とか間に合いそう。後は検品して提出です。
この検品精度も、審査されるので、
自分に厳しく行いたいと思います。