技術保持者の会員と、技術を身につけたい研修生が、技術の向上、情報交換、情報の共有を目的として集まり開催されています。
私は参加して10年を迎えたので、
紙の品質や厚みがいいのはあたりまえ。
その上で、良品の割合を増やすという課題を持って取り組みました。
10日間という短い期間の中で、最低限出来る枚数の紙を漉く。
その為に、前もって楮を煮ておく必要がありました。(煮熟)
一日目
まずは束になった那須楮を水に浸け
二日目
広げ水の中でよく振り樹皮などを落とします。
砂利の上に広げて表裏と太陽をあてます
また水に浸けます
三日目水に浸けたまま
四日目 楮をアルカリ液で煮ます
を効率よく3セット分繰り返して人数分用意。
ここまで前もって準備してから、研修がスタートします。今までは研修生だったのでこの事前準備は参加していなかったんですが、今年はもう一つ踏み込んだ「研修者」を見据えて参加させていただきました。
を効率よく3セット分繰り返して人数分用意。
ここまで前もって準備してから、研修がスタートします。今までは研修生だったのでこの事前準備は参加していなかったんですが、今年はもう一つ踏み込んだ「研修者」を見据えて参加させていただきました。
参加している研修生・研修者は9名。紙漉き舟や道具は限られているため、毎年ちり取りが出来た人から紙漉きに入ることになっています。
私はというと、ちり取りには自信があり毎年一日目に漉いている為、まわりもその予定をしているらしい。
更に、最終日の翌日27日は四日市の展示会の在廊予定日。
この日は全員集合日なのでぜっっったいに外せない。
会員さんが入れ替わり立ち替わり「どうかな~?」「あとどの位かな?」「頑張って!」など優しく声をかけてくれるのですが、
「まっちゃんが一番に漉いてくれないとスケジュールが詰まってきちゃうからなんとか頑張って」という心の(大)声がダダ漏れていたのでした。
うーそこまで言うなら頑張るか、と必死で手を動かしたのですが終礼までに終わらず。
でも次の日に漉かなきゃスケジュールがまわらない。いざ早起きして一人7時からちり取りし、繊維を解す「なぎなたビーター」にかけて紙漉く準備が出来ました。
朝からバタバタしたので、落ち着いて紙漉き出来るかな、集中出来るかな、なんて心配でしたが、割と集中して漉くことが出来て一安心。
問題は紙干し。
絞った紙床から一枚一枚紙をはがし、トチノキにつけて太陽にあて乾かします。
天気予報はずっと雨。時々曇り。
紙干し出来ないと、後から漉いた人の紙床がどんどん溜まってきちゃって冷蔵庫に入りきらなくなり臭くなる。
最近の天候はコロコロと目まぐるしく変わります。数日前の天気予報は参考程度。
一日前、数時間前でも変わっていきます。
板干し乾燥は天気次第。
目を皿のようにして空を見て風を読み空気を感じるのがとても大事。
薄曇りで太陽が出てても、風もなく湿度が高いと中々乾きません。そんな時は圧搾を強くかけて水分を出来るだけ絞ります。
が、絞りすぎると剥がれます。
空気が乾燥し、風の強い日は圧搾を甘くして水分を多めにし、板に張り付くようにします。
今年は、、
太陽は出てるけど雲も出てて風がなく湿度が高いという悪条件。これは乾きません。
ずっと板につけてると紙が板のアクを吸って茶色くなるのでそれも避けたい。
今までに一番読めない天気でした。
晴れてるからと板を出すとパラパラと雨粒が落ちてきて駆け足でとりこんだり、また出したり。それでもなんとか乾燥が終わり。
頑張ったー気をつかったー
最終日に各々検品。
会員さんに見て貰う時間がなかったので
日を改めて見て貰い評価をいただきました。
【結 果】
ちり取りは早くて綺麗に出来ていて、
ちり取りは早くて綺麗に出来ていて、
紙漉きも安定して厚みも揃い、
地合いも透かしも良い、
仕事として懸命に励めという◎のお言葉♬
やったー!!!
冬の個人研修も良い評価をいただいていたので、品質を落とさず出来たというのがとても嬉しいです。
一回だけでなく、継続して出来ること、
また再現出来ることを目標に
さらに研鑽を積んでいきたいです。
目標は高いけど、一歩は目の前。
一歩ずつ確実に。