画面を見ながら演じて

本番で、慣れた方でも文字だけを見て演じる方が多い。それは朗読に近い語りです。
紙芝居は絵があるのですし、絵本の読み聞かせも絵を表現しながら気持ちを通わせることですので、絵の描き方をしっかり見て、声に出してほしいです。

『てつだいねこ』 水谷 章三/脚本 大和田 美鈴/絵 (童心社)
を、最近演じました。以前、下読みしてありましたが、いきなり読むケースでした。
やった直後、ちいさい子どもの1人が「いい話だね」と言い、数人がつられて「いいはなしだね」と口々に言いました。
年老いて疎まれながらも、恩返しをする猫の話ですが、子どもは自分に重ね合わせて聞いていたのでしょう。
 
 演じるときのポイントは、微妙な気持ちを、セリフに込めるところです。
特に、いいおばあさんが、つい、役立たず猫を疎ましく思うところ。これを、絵の丸顔のおばあさんの顔を見ないで読んでしまうと、性悪おばあさんになってしまうのです。優しいんだけどちょっと困っている、という微妙な顔つきは、マンガであれしっかり描かれていますので、この顔を見ないと言葉の言い回しが上手くできないと思うのです。
 この、人間ならだれでもある、闇のような気持ち。子どもはそんなことも、わかるのだと思います。弱者というのは、強い者より観察眼が鋭いのです。子どもは、劣った小さくてかわいそうな人ではなく、ホビットのように、大人よりも研ぎ澄まされた感性を持っていることを認識して進みたい。
 ダイナミックな筋立ても楽しみの一つ。こういった細部に神様が宿るところも楽しみの一つ、ではないかと思います。
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