瞽女の越後節 その1

「一番始めは一の宮」 のわらべうたの元をたどって、『わらべうた』町田嘉章・浅野建二/編集(岩波書店)の「化政期頃、江戸を中心として流行した越後節という瞽女唄の影響によったものか」という文を見つけました。そこから、瞽女唄にそれらしきものはないのか、本を調べました。

そんなことで、『越後瞽女歌集』板垣俊一/著(三弥井書店)平成21年2月発行を手に取ることになりました。P148に越後口説として載っています。

タイトル「新発田」

千畑ヱ(新発田?)
荒物町のゥ染屋の娘
姉と妹を ならべて見ィたら
姉はすかない あさがおのゥ花
妹今咲く 白菊のゥ花
姉にや少しも 望みはなァいが
妹ほしさに 御立願掛けて
一に岩船 お地蔵さァまよ
二には新潟の 白山さァまよ
三に讃岐の 金毘羅さァまよ
四には信濃の 善光寺さァまよ
五には呉天の 若宮さァまよ
六に六角の 観音さァまよ
七ツ七尾の 天神さァまよ
八ッ八幡の 八幡さァまよ
九には熊野の 権現さァまよ
十で所の 色神さァまよ
掛けた御立願 かなはぬけェれば
前の小川へ 身を投捨てて 
三十三尋の 大蛇となァりて
水を流して くるりくるりと 巻きやァれ
やんれヱ     

(浮世床 四十八癖 「新潮古典集成本より」)

最初の「千畑」は新発田の誤りと思われるそうです。
いかにも、越後の瞽女唄らしい。
わらべうたでは七五調ですが、この瞽女唄は七・五・二で揃えられています。
また、口説は、なにかの事件を歌ったのではなく、遊び歌のようなものである、とも説明されていました。 
録音テープがあるわけでなく、どんなメロディなのか聞くことができずに残念です。 

 

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