つれづれなるかも

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ドラえもん(と中の人)に休日を!!

2005-03-19 12:25:45 | Weblog
昨日は本当に久しぶりにTVアニメ「ドラえもん」を見ました。
以前の記事でも書いた通りこの春に声優陣が一新されることに伴い、昨日がわたしの知っているドラえもんの実質最終回だったからです。
その最終話はオールキャスト登場と銘打たれた「ドラえもんに休日を!!」という原作でもかなりの名作が選ばれたので期待して見ました。
ところがオールキャストを登場させるために原作から随分内容が変更されており、とても最終回の感傷に浸る気分にはなれませんでした。

原作の「ドラえもんに休日を!!」はこんな感じです。
土曜日、学校からのび太が帰宅するとなぜかパパが居間にいます。
会社が週休二日制になったとのこと。週二日も休めることをのび太が羨ましがります。
するとドラえもんは自分はのび太の面倒を見るのに年中無休だと愚痴ります。
そこでのび太はドラえもんに丸一日休日をあげると提案するわけです。
ドラえもんは喜んで彼女(というかメス猫)と旅行に出かけます。しかしどうしてものび太のことが心配なドラえもんは、困ったらいつでも呼んでと「よびつけブザー」を置いていきます。のび太は絶対にそれを使わないと誓います。
「ぼくは決心したんだ!!何事が起き様と僕自身の力で切り抜けてみせる!」
意地悪なジャイアンとスネオはなんとかそのボタンを押させようと策を労しますが、のび太の決心は鈍りません。
アクシデントに次ぐアクシデントで知らない街に辿り着いたのび太はそこで見知らぬ二人の少年にからまれます。
それを隠れて見ているジャイアンとスネオ。
二人の少年に殴られそうになったのび太は覚悟を決め、呼び出しボタンを自ら壊した後言います「さあ、やるならやれ!」と。ジャイアンとスネオはそののび太の心意気に感心して助けに入るのです。
ラストカットは旅行から帰ってきたドラえもんが言います「いやあ、楽しい一日だったよ。のび太は大丈夫だった?」
のび太は寝転がりながら答えます「あたりまえさ!平和な一日だったよ」

ドラえもんへの友情とのび太成長が描かれたすばらしいお話でしょう?似たようなのび太のエピソードは「さようなら、ドラえもん」という原作でも区切りのお話でも描かれていますが(こちらは急遽未来に帰ることになったドラえもんを心配させないためにのび太がジャイアンと独力で喧嘩するお話です)、この休日のお話はそれにプラスしてジャイアンとスネオの友情も描かれているところがより素晴らしいと思います。

ところが昨日のアニメ版では大雑把なところは踏襲していますが・・・
・ジャイアン、スネオにいじわるされても先生に偶然遭って助かってしまう(のび太自身の力ではない)
・間違ってブザーを押してしまい、ドラえもんが一時帰ってきてしまう
・その一時帰宅が原因でのび太とドラえもんは喧嘩をしてしまい、ドラえもんは未来へ帰ってしまう
・ジャイアンとスネオが助太刀に来てくれて助かるはずが、相手に上級生の助っ人が現れ、二人は負けてしまう
・ドラミちゃんの作戦でドラえもんが未来から戻ってくる(ドラえもんの意志ではない)
・偶然喧嘩の場面にドラえもんが現れて偶然ピンチを救い、なあなあで仲直り
という風に改悪されてしまっているのです。
原作に描かれたドラえもんへののび太の思いやり(最後の台詞が泣かせる)やのび太の成長、ジャイアン&スネオの友情が全て台無しにされています。いや大人の事情はわかりますよ。オールキャストと銘打ったために先生やドラミちゃん他の出番を作らなければならなかったのですから。
でも原作者の一番伝えたい部分をぼやけさせる演出なんて許せません。藤子・F・不二雄先生が故人なだけに余計そう思います。

4月からは声優陣が一新され、絵柄も現代風に変わったドラえもんが放映されます。
私はおそらく見ないと思いますが、それを見る現代の子供たちに伝えたい根っこの部分はしっかり伝えて欲しいものです。