植物を育てています

盆栽の手入れをしながら感じたことをお話ししようと思います

秋に植え替えた 五葉松の管理について

2020-12-22 03:07:34 | Weblog

 寒くなって 今までは 屋外に置いてあった 五葉松も

霜に2回程度あてたら 直接 霜に当たらないところへ移動します。


 過保護は禁物で 屋外の温かめのところ程度が のぞましい。

日照時間より、気温変化の少ないところ、風当たりの強くないところ などが 良い。




 水やりの時間も 午前10時過ぎから、午後2時までに行う。

(葉水も同じ。)(凍っていると 土が乾いているように見える。)


 早朝や夜に 水やりを しなければならない時は その時だけ

屋内に取り込む。(半日程度たったら元の場所に戻す。)


 苔などで乾きがわかりにくい時には 日当たりの良い側の苔をはがして 乾きを確認する。

または 根元の周りの苔を取り除くのも良いかもしれません。

 土を触るのも 良いと思います。 触って 冷たければ まだ大丈夫。

触っても 冷たく感じなければ、水やりをした方がよいでしょう。

また、不安を感じたときには、水やりをしましょう。



 真冬の冷え込みが厳しく かわいそうだと思うときなどは

発泡スチロールの箱に入れるのも 良いかもしれません。

(鉢の高さがあればよい。蓋はしない。下に穴をあけるのを忘れない。)



 取り込みは さほど 問題はありませんが、

春が近づき 外に出す時は 雨または 雪の日 曇りの日を

選んで外に出します。

また出した後も、急に冷え込むときなどは 一時的に戻します。


五葉松の石付き

2020-12-13 01:49:41 | Weblog


さいたま市 大宮盆栽美術館において 毎年 さいたま国際盆栽アカデミーを開催しておりましたが、前年度 その上級コースの実技部門の講師を務めさせていただきました。

たしか、今年の2月の下旬 その年度の春から五葉松を 正面を決める→樹形構想→剪定→針金掛け→植え替えて完成。 その「植え替えて完成」の講座の時に 時はコロナ。


延期に。

 
ほかのことでも そうですが、 最後の完成!!の直前の延期。・・・





手前での延期には、美術館としても苦渋の決断だったと思います。



本年度は 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今年度の盆栽アカデミーは中止になってしまいましたが、

その 植え替えて完成の講座を 10月に 前年度の補講 という形で 何とか行えました。

人数を減らして 2回に分けて 時間短縮 さらに換気対策 フェイスシールド マスク 手袋等 全員着用。



そんな中、K様 撮影してくださったので 紹介したいと思います。




前年度 上級コースの実技のお題は「五葉松」

最初に 五葉松を見て、どこを正面として、どのような樹形に仕上げるか決め、 樹形構想をご本人が練って それを全員の前で発表。 

そこから 剪定→ 針金掛け→ 植え替え(鉢などの選択を含む。) 

こちらの場合 針金掛け のち 石付き盆栽 を選択しました。





植え替え前


今回は石付きなので 準備が少し増えます。


準備する道具。



上から
ピンセット
又枝切り
剪定ハサミ
ヤットコ
針金切り
根ほぐし




次に 土



やや細かめな赤玉土/桐生砂  下に敷く大きめの赤玉土/桐生砂





けと土 (けと土は 植え替えをする前に 十分に練る。)



赤玉土の微塵 または極小粒を少し混ぜる。



この時 いっぺんに入れず、少しずつ。



※けと土の状態 を みながら 赤玉土を足したり、霧吹きなどで水分を足したり。









今回使う クラマ石





底網を付ける。 固定する針金を通す(針金は十分に長め)
 底網の止め方は 前回の五葉松の植え替えを参照




この石の場合、土台が安定しているので 2組のみだが 
安定の悪い場合は 状況に応じて針金の組数を増やす。





けと土で 石の上に 土手を作る。細くて高いのではなく、土台は十分太めに。



針金が下にならぬよう浮かす。



石付きなので 苔も用意しておく。





鉢から抜く




この時 根の状態を よく確認する。

明るい色の根がたくさんあるか?
黒ずんだ根が多くないか?
太い根が 周りにないか?
腐ったようなにおいがしないか?


現状の根の形と次に植える鉢との形の相違による 難易度がどれくらいであるか?
(通常、仕立て鉢から 植え替えて 「見せる鉢」に変える場合、小さくなる。
そのため 根の総量が場合によっては30%程度までしか残らなくなることも想定される。)

現在の根の姿が 本当の樹勢なので まず周りを回っている根の状況から判断して
新しい鉢に植え替えた際、どの程度のリスクがあるかを判断する。
(通常は 根の状態を完全に把握することはできないが 抜いた時には はっきり見えるし 臭う。)







基本、最初の作業は 根張りを出すのだが、この木の場合、正面決める際、針金掛けの際にも 
根張りは ほぼほぼ出してあるので、石付きにするため  まず 高さが問題なので 下の根をほぐす。



通常 元気な盆栽ほど 根を処理するのが大変です。




ほぐす際 力いっぱい ザクザクほぐすのではなく、根に引っかかった際も
無理に断ち切るのではなく、なるべく 丁寧に。時にはやさしく。

そのため このように、握りの部分が太い一つ爪 の道具もあるとよい。





ある程度 ほぐせたら 根の全容を確認、 石の上に時々合わせて

ほぐしすぎ、切りすぎがないようにする。




残る根の量を確認しながら ふと根を処理する。







細い根の処理は なるべく 植えこむ直前に。










もう一度 石と合わせて 根の量、入れられる土の量 

石に対して土の部分が多すぎないかどうかの確認。





ちょうどいい画像がないのですが、この後 
仮に 石の上に五葉松を置いて 
けと で作った輪郭と 五葉松の根の量 入れる土のスペースがあるか 

もちろん 構図に問題はないか を確認します。



これで 問題なし、 決定となったら 
植える直前に 余剰の根を切る。









やや大きめの用土を少し入れる。
その上に 細かめの用土を 中央付近を山にしていれる。






けとの土手を壊さぬように 根を回しながら押し付ける。


正面、横から 位置を確認する。

目線は見下さず、見上げず。 盆栽の中央の高さに目線を置く。









問題がなければ 針金で固定。




余りの針金は そのまま残す。








余りの針金を使い けと土の土手の中に その針金を外に出ないように
埋める。(決壊防止)







根と用土に隙間がないように 箸でつついて確認する。






けとの土手の上の部分を伸ばすように用土となじませ、

しっかり押さえる。



この時 余剰な用土、けと土は取り除く。






けとの土手のラインが直線、整った曲線にならないようにする。
(可能なら 凸や凹 を作る。)








ここまでに費やした時間が長すぎる場合は ここで水やり。

(細根を切って、けとを押さえるまでの時間)

根に負担が少ないならば、そのまま苔張り。

そののちにたっぷり 水やり。








8か月?遅れでの 完成 でした。
















で、 k様  ご自宅で 飾られた 画像が こちら。







 植え替え作業の 一部始終を こんなにも撮影してくださって、 k様、本当に、ありがとうございました。













 で、も、 この石付き、K様のですよねぇ?・・・


かんたん盆栽講座 「梅の寄せ植えの回」

2020-12-09 01:12:42 | Weblog
本日 さいたま市 プラザノースにて  かんたん盆栽講座 「梅の寄せ植えの回」
を行いました。


コロナの問題もあり、開催自体も危ぶまれましたが、無事に開催できました。


今日お越しの方々は 全員 初盆栽 とのことで 説明時間を短縮して 

個別に指導する時間を 増やす方向にいたしました。







「梅の寄せ植えの回」なのですが、今回も 松竹梅の寄せ植え と しました。


松竹梅 は 宋代(960~1279)の中国 文人画の画題として好まれた「歳寒三友」(サイカンノサンユウ)が伝わったもの とされています。

歳寒三友 →松竹梅 

松、竹は 寒中にも色あせることなく緑をたたえ、

梅は寒中に花開く。これらは「清廉潔白」「節操」という文人の理想を表現したもの。

だそうです。


このことが平安時代に日本に伝わり江戸時代に流行をした と あります。

しかし日本ではもっぱら おめでたい意味として流行った ようです。








  松:常緑であることから「長寿」の象徴

  竹:折れにくく成長が早いことから「生命力・成長」の象徴 

  梅:寒い冬に花咲かせ高貴な香りを放つことから「気高さ・繁栄」の象徴 




本日 寄せ植えに使った 素材。


冬至梅 (バラ科 サクラ属) 落葉小高木

野梅系。野梅性の白花で 中輪一重

ほかの梅より早く、冬至のころに咲くのが品種名の由来。

梅の花全般の花言葉 上品 高潔 忍耐 忠実

白梅の花言葉 気品






 
黒松 (マツ科) 常緑針葉樹

花言葉 不老長寿 向上心 慈悲 永遠の若さ 勇敢 など







寒菊 (キク科) 多年草

花言葉 けなげな姿








竜の髭 (ユリ科) 多年草

花言葉 変わらぬ思い






南天 (メギ科) ナンテン属 常緑低木

葉には毒があるようです(調べたら・・・)しかし含有量が少ないので、逆に食品の防腐効果があるようです。

そんなことから 「長寿を祈願する」 「不浄を清める」などの意味があるようです。

花言葉 機知に富む 福をなす 良い家庭 







小熊笹 (単子葉植物 イネ科 タケ亜科または、タケ科)

欧米では SASA と呼ばれているようです。 ササの葉には防腐効果があるので、保存食をくるむのに用いたようです。

花言葉 ささやかな幸せ








ヤブコウジ (ヤブコウジ科) 常緑小低木 別名 十両

花言葉 ふくよかな愛 明日幸福








黄金シダ (シダ植物門) 

花言葉(シダ) 愛らしさ 誠実 魅惑 夢 愛嬌







斑入りセキショウ (ショウブ科ショウブ属) 多年生植物

花言葉 不明です ご存知の方は 教えていただけると幸いです。



用いた土 赤玉土(硬質)6/4 桐生砂





盆栽 とは。 盆(鉢)の中で 長い年月 栽 培 すること。

鉢の中の自然。  自然とは、太陽が照り、 風が吹きます。

自然の木や草は 日によく当たるところはよく伸び、風に吹かれれば 風下側になびきます。


私が盆栽村に弟子入りして、 針金掛けを習い始めのころ 

よく 外輪郭を 不等辺三角形に と言われました。

南側はよく育つし、 風下側は やはりよく伸びます。

鉢の正面から盆栽を見ると、左右対称には なっておらず、どちらかに寄っています。

これが 太陽の方角であり 風の向き。

盆栽の寄せ植えでも、一本の盆栽でも 必ず取り入れる 決まりです。




鉢の前に すべての材料を並べると すべてを植えこむには

楽には入らない、 鉢の面積に対して 皆さん 数が多すぎるように見えます。

さらに 確実に 三分の一は 風、または陽を表現するために 使えない部分があります。


また 長く栽培していますよって 見せるため 「植えました。」ではなく

「植わっているのを 育てています。」 という風に 見せねば なりません。



準備として 最初に鉢を 椿油 や ベビーオイル 等で きれいに磨きます。

鉢の穴に 底網を固定するアルミ線を作ります。












次に 梅などの木を固定するためのアルミ線も3組通します。

長さは 鉢の端から端までの長さの2倍強 必要です。

注意点は、鉢の穴に針金を通す際 必ず 鉢穴の内側同士を通すこと。








まず、梅が かっこよく みえる 正面を決めます。



一番大きい材料 梅 の周りの根を 削って 比較的 背の高い材料を

ウメに寄り添って育ったように 配置していきます。

鉢の正面から見て 梅の根元や幹を なるべく見せるように配置します。


この時に 気を付けるのは 根をほぐして削っても ハサミで大量に切らないこと。

梅が中央に植わっていないこと。

正面の真横から見たとき 前過ぎず、後ろ過ぎず。 後ろに倒れそうになっていないこと。 


右流れなら 右側 三分の一 の場所には 植えないこと。(左の場合は逆)


ウメの根元を中心に 放射状にほかの種類が植わるように 工夫します。

全ての植物の根をほぐしても なるべく切らないようにします。


大きい植物から 位置がきまったら 針金で固定していきます。

土をやや湿らせた状態で 使うと バラバラになりずらくなります。

根の量のあまり多くない シダ、竜のひげ、セキショウなどは 苔を張ってからでも間に合います。

時々鉢の正面 真横から 位置 配置 流れを確認しながら 作業を進め

土を入れます。


ここまで 日当たりでの作業を行ったり 時間がかかりすぎているときには 水やりを先にしてしまいます。

逆に それほど時間がかかっていない、日陰での作業なら 苔を張ってから 水やりとなります。


植え替え後の水やりは 下穴から出てくる水が 透明に澄むまで 3~5回繰り返し与えます。


苔は 梅の根元を高めに 鉢のふちに近づくにつれ なだらかに下げると 雰囲気が違ってきます。

砂を敷く部分は コテ、指で 土が浮きにくくなるように 押さえてから

砂を敷きます。 砂もしっかり押さえます。

最後に 鉢の汚れを ふき取りましょう。

(初めの時に しっかり 油が塗ってあれば さっと ひと吹きで きれいになります。
 



出来上がった 皆さんの作品。

並べて記念撮影。



























今後の(開花前)の管理


 ふつう 植え替えは お彼岸前後 と いわれています。

これからの置き場所は 軒下など 直接 霜などの当たらないところで管理してください。

日当たりは 良いところなら 梅の開花がすすみ 

陽が直接当たらなくても 寒すぎなければ 問題はありません。







 梅の花は めったに狙われませんが ヤブコウジは 鳥に見つかったら 3日と持ちません、

網などで囲うのが一番ですが、近場に使わぬCDロムを2,3枚ぶらさげたり、アルミホイルをぶら下げる、

100円ショップのカラスを使う。

見た目は悪いですが 布を切ってかぶせるのも いいかもしれません。







 水やりは 出来れば日中 決めた時間に毎日確認して (朝早く または、夜しか出来ないときには 

かけた水が氷るのはよろしくないので、水やり後 凍らない場所に 一時避難させてください。)






 日当たりの良い場所ならば 天気が良く 風が強い日などは2日一回程度。


あまり日当たり、風当たりが弱いところなら 3,4日に一回。






 梅が咲くまでは 霧吹きも有効です。(水やりとは 別で)

乾いているかどうかは、梅の根の近くの苔を少しはがして 触ってみてください。

冷たければ、まだ大丈夫。 冷たいと感じなければ 

360°からしっかり下から水が出てくるまでたっぷり与えてください。

 水やりをしてから4日過ぎて 不安でしたら やはりたっぷり与えてください。








梅の開花が近づき屋内に入れたときの管理


 水は屋内でも毎日は乾きません。乾きがわからないときには苔をはがしてみてください。

みずやりをする際には、下からしっかり水が出るまでたっぷり与えましょう。






 可能なら なるべく室温の低いところや 日照は(ガラス越し)あまり関係ありませんが 

寒暖の差が少ないほうが花が長持ちします。







松竹梅の 開花後の 管理


その①
 梅の花が終わって 家の中から外に出す際は、いったん 家の中の一番寒いところに移動します。

移動して3,4日経過後 今度は外に出すのですが、雨または雪の日 曇りの晩でも結構です。場所は屋外の暖かめのところ、陽にあたる必要はありません。

それから約一週間後くらいに 普段の置場所に戻します。やはり雨または雪の日を選んでください。


















その②
 梅の花が終わった後 梅の実が成るところがあります。 来年もたくさん咲かせるためには、実は取り除いてください。

最終的に移動した場所に置いてから 春が近づいてくると、梅の新芽が出てきます。

残念ながら花だけ咲いて新芽が出ない枝もあるでしょう。

各々の枝から幹に近いほうの新芽を2芽ほど残してその先を切ります。

この作業の時期に 梅、松 を 他の草物 を残し 別の鉢に植え替えします。

この時、元の鉢側  梅、松を抜いた場所には 石ころを(大き目)入れ隙間に赤玉土を入れます。

梅、松は別々の鉢入れて、やはり根の近いところの周りに石ころを入れ、あとは赤玉土で植えます。

可能であれば、半日程度の日照の場所があれば、草物の鉢を置き、松は日当たりに置きます。梅はその中間がよいでしょう。

肥料は植え替え後1か月が経過してから。




今日は 忙しすぎて、 こんな お話ができず、すみませんでした。

プラザノースでは また来年春に サクラの講座があります。 こんな話下手な 講師ではございますが またよろしくお願いいたします。

 梅たちを お大事に。

  

陶芸+盆栽を楽しむ「手作り鉢で盆栽に挑戦しよう!」

2020-12-03 22:17:15 | Weblog


去る 10月19日 プラザノースにて

 陶芸+盆栽を楽しむ「手作り鉢で盆栽に挑戦しよう!」 という 講座がありました。

器である『鉢』のほうは 下山先生 が講師をされ、出来上がった鉢に
 木を植えこんで 盆栽にするほうの講師を
私が務めさせていただきました。


ここ数年は プラザノースにて 「かんたん盆栽講座」の講師をさせていただいておりますが、
陶芸とのコラボは 初めてのことでした。




植えこむ前の 皆さんの作った、鉢。






作る前に、参考になればと、数鉢 鉢作家のやや変わった鉢をお見せしましたが、
私も買って 植えたくなるような 鉢ばかり。











備品の カエルや童、猫は 下山先生が 作られた とのことです。












途中経過がないのですが、 完成品が こちら。





みやさまかえで 
 童が かわいいです。





長寿梅  



地板でもあると さらに雰囲気が出そうです。








みやさまかえで  

 本物のカタツムリは、盆栽の敵ですが、これなら 雰囲気出ていいですね。





長寿梅






みやさまかえで 
  
 こちらも カタツムリ。





長寿梅








左から 真柏  みやさまかえで  みやさまかえで




真柏 松らしく 鉢が渋い。






 宮様カエデ 窯変が素晴らしい。








みやさまかえで  緑釉きれいですね。






同じく 長寿梅 みやさまかえで  みやさまかえで






長寿梅




 実は 盆栽屋にとっては 猫も敵なんですが。



こんなかわいい奴なら いいかな。








左から 長寿梅 長寿梅 長寿梅 みやさまかえで




私も初めての体験でしたが とても 楽しかったです。

 コロナの影響で 開催が危ぶまれましたが、開催できて幸いでした。

 予定では 来年も開催するとのこと。
新たな陶芸作品に出合えるのを 楽しみにしております。


そろそろ本格的に冷えてきました さいたま市。
かわいい盆栽たちを 軒下などに 移動しましょう。


今月の8日 プラザノースにて 梅の寄せ植え 講習会があるのですが、
こういった小物があると おしゃれかもしれません。


画像の公開が遅れてしまい すみませんでした。









五葉松の植え替え

2020-11-21 17:48:06 | Weblog
五葉松の植え替え



基本的に 五葉松の植え替えは なるべくなら 関東で3月下旬から5月中旬までが
一番安全に思われます。



植え替え前。整姿後、約2週間は経っています。
整姿後、半月程度 待ってから 植え替えしたほうが無難です。



植え替え前。





1 植え替えの準備を 整える。


 回転台の水平 次の鉢の候補 道具 用土 アルミ線 底網







 網を止めるアルミ線を作る。



逆でした。↓を↑に。


 

 底網を止める。





 五葉松本体を止めるアルミ線を通す。





 この時、穴の内側同士を通す。





 片側を長めに。






通した針金は 植えこむ際 ねじったりするので 邪魔にならぬように。







2 正面の再検討。鉢の再検討。決まったら、鉢から抜く。




 抜いた際に 根全体の健康状態を確認する。







 アカデミー最初の際、最初の正面。根張りは ここが一番。 右流れ。





 今回 少し変更する。 幹模様と枝付きを重視。 根張りは少し劣る。
 








3 最初に 根張りを 掻き出す。角度が変わる場合は 
 上にはみ出す部分と下にはみ出す部分を 先にほぐし 切る。






4 真下の部分の根をほぐして 切る。









 鉢が 薄めなので 途中 取りすぎ、取り足らなすぎを 確認するため 時々チェック。







5 最後に 周りをほぐして 切る。

 この五葉松の場合、前後の幅がやや狭いので 前後を優先的に ほぐしてから切る。




 鉢から抜いた状態を100として、 60を割るときには 慎重に。

特に太い根を切断する際は、その縄張りがどの程度あるのか確認をしてから切る。

外側から切って減らしてゆくと、中央付近の根が 外側の根に比べ 細く、色も黒っぽく
元気がない場合が多いので、相対的な根の量より健康な根が残るように 気を付ける。

この五葉松も 大体45パーセントくらいになりました。



6 一度 鉢に乗せてみる。

 正面からの位置、横からの位置 全体の雰囲気を確認する。








7 用土を 中央付近に 山盛りで乗せる。






 鉢が厚めの時は 先に ゴロ土を平らに敷いてから 用土を山盛りに。







8 根をゆっくり揺らしながら 定位置まで 優しめに押し付ける。









 少し離れて 左右の位置、前後の位置を 確認。






 それでも 少し前こごみ。 なるべくなら まっすぐ立ち上がるのが 理想。
そっくり返っているのは よろしくない。





9 針金で 固定。 




 針金を締める際、本体が動かぬよう しっかり根元を押さえる。





10 用土を入れ、箸で 隙間をつくらぬように 突っつきながら確認する。




 基本的には 箸は2本持つ。隙間が狭い時などは 箸一本で。






11 正面から、横から 位置の確認。






12 水やり。







  底からきれいな澄んだ水が流れ出すまで 入念に。







13 苔張り。

  針金は隠すように、根張りは隠さないように。




 この五葉松は全部苔張りしましたが、 念のため 2か所くらい 

 土が見えるように残しておくと乾きの確認が しやすい。




もう一度 水やり。






14 完成。






二週間程度、風が強い日、日差しが強い日の水やりは  頭からかけて やや 早めでも問題ないかと。

不安なら かけてください。
葉水も 規則的に2週間程度やれるなら 回復を早めます。

また 霜に2回程度 当たったら 直接 霜に当たらない場所に 移動します。

しかしながら あまり暖かいと 冬眠できなくなり、春の芽吹きが悪くなるので
少し真冬に凍る程度で、問題ありません。



ありがとうございました。

2020-10-20 22:47:36 | Weblog
先日の土曜日 盆栽美術館にて 昨年度の盆栽アカデミー上級コース 最後の補講がありました。

本来なら、今年の2月が最終講座になるはずでしたが、コロナの影響で 
盆栽美術館そのものが休館になったり、そもそも 講座室に人が集まること自体に問題があり、
盆栽実技の講座を行うことができなくなりました。

今回、半分の人数、フェイスシールド、マスク、手袋、ひとテーブルに一人、などの対策を行い
やっと 盆栽実技 こぎつけることが 出来ました。



前回の講座で 針金かけまでは ほぼ終わっていましたが、
最後に 我々講師が 手直しさせてもらい、植え替えってところでの 延期。

ぼさぼさの五葉松に 剪定をし、針金をかけ
やっと形が整ったところで 鉢を入れ替え 出来上がる・・・ 
その一歩手前で まさかの延期です!!


アカデミーの皆さんも そうだったと思いますが、私たち講師も がっくりでした。

今春から夏にかけて 皆さんの五葉松がどうなっているのかが とても気がかりでした。


盆栽美術館のGさんに相談して 上級コースのみなさんとメールのやり取りができるようになり、
アドバイスさせてもらうことができたので、少し胸のつかえが取れました。


私自身も、盆栽は針金かけを終わり そして 植え替えして、出来上がった姿を見るのが
楽しみですから、その一歩手前で待たなければならないのは かなりつらいことです。
今回、その出来上がった姿を 皆さんと一緒に見ることができたこと、

よかったです!


盆栽美術館の方々 このコロナ禍の中 ご準備 さぞやご苦労されたことと・・・
本当に感謝します。

最後に 今回の補講が終わった時に こんな素敵なお花をいただきました!
以前にこのようなお花をいただいたのは いつだったか・・・
とても とても嬉しかったです

ありがとうございました!!







 

ありがとう

2020-10-02 00:18:43 | Weblog


昼過ぎに 黒松の盆栽の葉っぱが・・・

少し不自然に動いてる。

?   ?

アマガエルが 枝から枝へと ジャンプ。

ちょうど羽アリのような虫をたべるところ。

急に虫が消えたので、たぶんナイスキャッチしたのでは・・・。
<早すぎたのと、あまり近くなかった>




食後に 盆栽の幹に化けている図。

スマホだとうまく撮れなかった。
間違いさがしみたい に なってしまいました。




 
なんか、いいものを みちゃった。

感謝の気持ちを込めて、「今日も、ありがとう。」

五葉松の古葉取り 下葉取り

2020-09-29 19:21:06 | Weblog






五葉松の古葉取り、下葉取り。



早い人では、7月に入ると始める方もいらっしゃいますが、
9月末位までは、鋏で丁寧に切る。または、ピンセットを使わないと、
葉の根元の皮まで取れてしまったり、、
不用意に新芽にさわると 数日後 新芽が折れて赤くなったりします。


10月の中旬から下旬になれば 一般的には 手でつまんでも取れやすく、
また新芽もほぼかたまってきていて、少しさわる程度なら葉が途中で折れたり、
先が赤くなるなどの弊害が出にくくなります。

しかしながら、肥料旺盛、鉢が大きく元気に伸びている枝などは 簡単には取れないときもあります。
手で取っても、皮までむける、非常に取りにくい場合などは 鋏を使って丁寧に切ってください。


五葉松に限らず黒松などでも、手を枝にいれるときには下から上に動かすように。


古葉は 樹冠には多く、下枝になるに従って徐々に量がすくなくなります。
樹冠は多め、下枝は少なめに 古葉を取ります。

弱っている枝等は 減らさずにおくか、少しだけにする。







下葉取りは 各々の枝棚 下にはみ出している部分を 取る。
この作業をするだけで 見た目がかなり変わります。


「ちょこっと 玄関に飾ろう。」と 考えた時など、雑草を取り、鉢を掃除して 下葉取りを
済ませると、飾り映えします。

なつかしい 思い出

2020-09-26 12:22:54 | Weblog
まだ、私が弟子だったころ 園で発行する小冊子のようなもの がありました。
園にお越しのお客様だけにお渡ししていました。
もう、40年以上前のお話に なってしまいました。

昔の盆栽村は 平日でもたくさんのお客様でにぎわっていましたが、
週末ともなれば 門を開けるのと同時にお客様がはいってくるほど。

絵葉書なども売っていました。
そんな時代に作られた 親方の文章です。



「カマキリ」
 ~~~秋の日に~~~

鈴虫が しきりに鳴いているのに 耳を傾けていたが、
いつのまにか 鳴き声もとだえ、うめもどきの赤い光った可愛い実が、
まるで宝石をちりばめた様な姿を呈している。
アケビの薄紫色の細長い のんびりした実、松類は夏の高温のために、緑がふかふかと充実して魅力を加え、
「秋深し」を庭中に漂わせ、本年の丹精を素直に表している。

ふと、庭の隅に目をやると、白い花を咲かせた つる草の上に、カマキリが静かに立っている。 
もう少しで卵を産むのだろうか。
夏のうち、盆栽の害虫を食べてくれて、大切な盆栽の管理に協力してくれたのだろうと思うと、本当にご苦労様と 声をかけたくなる。

子供の頃に、夏の にわか雨の水溜りで、カマキリの体内から出た線虫みたいなものが動いているのを不思議に思い 
いつまでも眺めていた事を思い出す。
来年もよろしくね とつぶやく。

1981年10月  加藤秀男(萌3号より)




植え替えについて

2020-09-15 09:18:00 | 盆栽教室
植え替えについて


※植え替えは なぜ行うか?

盆栽は限られた鉢の中でしか根が成長できないないため
種類によっては一年で、遅い場合でも10年程度で 土を入れ替えないと
真夏の水やりが困難になり、枯死する可能性が高まる。

剪定や針金かけ等により 正面や角度が変わってしまう。
またその時の育て方の変更により スピードを求めるとき。または逆に老化を求める時。

盆栽の持ち主が変わったり、置き場所の変更があり 水やりの環境変化により維持管理が困難なとき。



植え替えの注意点

健康な状態であるかどうか。 その種類にとって適した時期であるかどうか。

植え替えは 人間にたとえるならば、胃腸の外科手術と同じ、古くなった根を切り取り、
新しい根が育ちやすい環境にすることにより、木が若返り、ゆえに100年を超す盆栽がある。

可能な限り 短時間で。そのために 準備は完全に整える。(次の鉢 土 固定等アルミ線 底網 道具 水平の作業台)



作業手順

1 上根をかき出す。(根張りを出す)

場合により金属の道具も使うが、先をとがらせた竹箸などで ていねいに掻き出す。
根張りより高くなってしまう部分は可能な限り切り取る。



2 下の部分をほぐす。

 角度が変わる場合は 上にはみ出る部分、下にはみ出る部分を先にほぐす。
太い根が出てきた場合 切らずに残しておく。



3 周りをほぐす。 

1,2、で残しておいた太い根野所在を確認して細い根と立て替えられるところで 太い根を短くする。
または元から切り取る。

下に落ちた土や根の量が半分以上になったら 残る根のことを考えて さらに慎重に。

金属の道具はなるべく避けて箸などで すすめ、はさみも 根の切り口がきれいだと成長も早いので
切れる鋏を使用する。

大まかに根を切り一度 次に植える鉢に乗せ 前後左右底 の隙間の確認をする。
問題なければ 全体の根をしっかり切る。



4 選んだ鉢にもよるが ゴロを敷き 次に 植え土をほぼ中央を盛るように敷く。
次の正面を見据えながら 気持ち抑え込むように植えこむ。

前から、左右の位置と傾き、横から ほぼ中央に位置しているか、前後に傾いていないか、 を確認する。
問題がなければ、針金で抑える。


植え土を入れる。
 少し低めの位置まで土を入れたら、箸2本で 土が入っていないところがないか 確かめながら
土を入れる。
最後にもう一度前、横から 正面、角度、位置が間違っていないか確認。



5 水やり。
 最初の水やりは、水をやり始めると、下から濁った水が出てくるが、
それが澄むまで 溢れさせないよう、植え土が動かぬよう丁寧に何度か水やりを続ける。
下から出てくる水が澄んだら 終了。



春の植え替えでも秋だとしても 可能なら 朝日が当たり夕方はかげる場所が望ましいが、
元場所しかない場合は、規則正しく与えられるなら葉水も有効。

最初の1か月くらいは根元の元からある土の部分の渇きを見て水やりの判断にするとよいでしょう。