出張はじめて物語

きもので…


　　　　　　　きもので…



兵庫県・西宮市まできちゃいました！


書籍の仕事で、医師の取材へ。
自然や色にとても造詣の深い先生であるうえ、
今回が４度目の顔合わせとなり、ご自宅へ伺うのも２度目だったので
（多少お恥ずかしい点があっても許していただけるかなあ）と
思い切って、初めての着物de出張にトライしてみたのだ。


場所はヨットハーバーに隣接する瀟洒な新興住宅地。
どこを見ても、
セレブなミセス雑誌のイメージフォトみたい。
約２年ぶりに、南欧風の白壁のインターフォンを押す。

「おおお、すごいですねぇ。」
玄関先で、思わずといった風に声を上げる先生。
「あら、インコ。可愛いわねえ」とご家族の方。


１日目はこんな格好。これは宿泊先で撮ったもの。



取材自体はとても和やかに進んだのだが、
一つ大きな落とし穴が…。
それは、「長時間の正座」。
立派な和室、ふかふかのお座布団、とても心地よい空間なのに、
正座の苦手な私は、１時間近く経つと脚が痛んできてしまった。
持参した折り畳み式のカチャカチャした正座椅子は、あまり役に立たず…。


考えてみれば、普段の取材は100％椅子に座ってのもの。
時間も長くて２時間程度だ。
それなりに対策を考えてきたものの、
やはり数時間に及ぶと、私の場合はたとえ椅子だったとしても
無理がきたかも知れない（娯楽ならともかく、仕事だし）。
「大丈夫ですか、楽にしてください」先生に気を遣わせてしまい、反省…。



普通なら、これで終わるところだが。



実はまだ続きがあった。
取材は２日間に分けて行われたのだが、
翌日、再び先生宅を訪れると…。
「これなんかどうかな、と思って買っておきました」と
しっかりした木製で布張りまでされた正座椅子が…！
・・・
先生、ご家族の方、本当にすみません、すみません




ちなみに２日目は型染めの、通称「春待ち帯」で。