タレントのしょこたんが本名の改名を申し立て
認められたと報じられたことは、記憶に新しいと思います。
「薔子」と書いて「しょうこ」と読ませたかったところ
「薔」が人名用漢字になく、役所ともめた末
しようこ、で受理されてしまったという経緯だったかと思います。
この方の(前の)名前がキラキラとは思いませんが
世の中には漢字こそ人名用であっても、特殊な読みの名前は少なくないもの。
その点、私の父は……
漢字も人名用でなければ、読み方も特殊
だったため、亡くなってからの諸手続きで結構、
気を遣うことに……
故人で、おそらく同じ名前の人は日本にあと2,3人も
いないと思うので(今年に入って一人いたことがわかった、と
父自身から聞きました)、
公開しますと
……別に見慣れない造形の漢字でもなく、読みも含め奇をてらうものでもなく
普通にありそうなのですが
実は人名漢字にないのです。加えて外字。この読みもなし。
生前、何度「輝」に間違えられたことか!
戸籍謄本を取り寄せてみて
そもそも戸籍の記載にフリガナがふってあるんだ、とびっくりした次第。
父は、夭折した長男も含め6人きょうだいなのですが
ほかの人は普通に流通(!)していて読みにも難渋しない名前。
(お一人、音読みの名前はいますが-例えば邦定という名前があるとして
「くにさだ」ではなく「ほうてい」と読む、といったような)
どうして父だけ、こんな難しい名前にしたんだろう
父の話によると、戦争に向かっていった時代で
強く育ってほしいとの意味があったそうだけれど……
名づけ親である祖父に直接、由来を聞いてみたかったけれど
何しろ気難しい、怖い存在で、とても気軽に話しかけることなど
できませんでした。
ともかく、この名前のために
まずたいへんだったのが葬儀会社とのやりとり。
(行政に、最初に火葬申請をしたり、会場手配をしたりするので
名前を間違えられると困る)
電話で
「えっと、へんは月火水木金土の火です」
「ああ、日ですね」
「ちがいます!」
私も憔悴していたせいか、どうもかみ合わず
「ええと、日へんに群ですか?」
相手も滅茶苦茶なことをおっしゃる。
次に緊張したのが、お寺のご住職。
何しろ、名前が一文字しかないので、
この漢字が戒名に入るのは確実。ゆえに間違えられると困る。
(でも檀家で以前から交流はあったので、ご住職もわかっていたようです)
その次は、墓石屋さん。
戒名を墓誌に彫るお仕事と、本位牌をお願いしたので
どちらも名前を間違えたら致命的。
そこで私、わざわざ「間違えやすい字」として
「輝や暉ではありません」と
A4用紙に大きく書いてメールに画像添付したり。
そして、お香典返しの手配でも……
ネットで注文し、名前を入れた挨拶文もつくってもらうことにしたのですが
外字が楽天のフォームから送れない
というトラブルが。
しかたがないので、フォームでは●にしておき
後からメールで送り、さらに文字化けしていないか確認。
ほかにもたくさん、やらねばならないことがある中で
一つひとつ、地味に面倒で地味に気疲れするやりとりをひたすら
繰り返しました。
でも、父に関わる諸手続きを何度も何度もして
そのたびに名前の説明をしていることで、
ちょっとおかしいかもだけれど、家族の絆を再確認するというか、
きちっと間違いなく名前をあらわし、残していくことが
父への最後の孝行だなあという気も、しなくはないのです。
コメント一覧
最新の画像もっと見る
最近の「その他の話」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2009年
2008年
人気記事