命のかたち心のかたち つちびと 可南'Sギャラリー

母と私とつちびとと

母が亡くなってから・・ずいぶん年月が経っているのだけれど

亡くなってしばらくは・・母に似たつちびとをいくつか作った

 

 

意識した時もあったし・・無意識の時もあったけど

なんとなくふっくらとしたつちびとの母に・・気づけばなっていた

 

 

私の中の母をつちびとにして残すことはできたような気はする

 

 

 

だから・・・最近は解放されたのか

いろんな母子を作っている

 

 

ただ・・

 

亡くなった直後に・・ある場面がなぜか浮かんで

どうしてそこに母と居たのか明確には憶えていないのだけれど・・

その母と幼い私のその場面を・・空想も交えて

いつかお話にしたいと思っていたのだけれど

 

その後、つちびとを作るだけで精一杯で文章にする余裕はなく

気がついたらこんな歳になっていた

 

長い文章を綴る気力も無くなった

それでも・・脳裏から消えないあの場面を残しておきたくて

 

詩のようなものに残そうと思う

 

タイトル おばけ煙突

大きな三本の煙突が、錆びた金網の向こうに見えた

煙突は本当は四本あるのだけど

見る角度で数が変わる

おばけ煙突と呼ばれてた

 

私がいくつの頃だったのだろう

 

母に手を引かれ、引越し先を求めて

見知らぬ町の団地にやってきた

いくつめかの街だった

 

そこからの記憶が少し抜け落ちているのだけど

気づけば母と二人、屋上に上がってて、

おばけ煙突を見たことだけは憶えてる

 

その時、母はどんなことを考えていたのだろう

何かに疲れ果てていたのだろうか

 

ずっと忘れていたのに

母と見たそのおばけ煙突を

94歳まで生ききって

空に昇っていった母の煙で

思い出した

 

母の人生を やっと思い出した

 

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