冠野製作所

ギター、エフェクターについてつぶやいていきます。

Bカーブの可変抵抗でAカーブを作る

2025-02-05 10:31:18 | エフェクター製作
前回、「Bカーブの可変抵抗でCカーブを作る」を投稿しましたが、同様にAカーブを作る件も考察してみました。

参考にした記事は、前回と同じ。

Bカーブから擬似Aカーブと擬似Cカーブをつくる | なんでも独り言

Aカーブを使いたいのにBカーブしか持ってないという状況があるかもしれません。 そんな時でもBカーブにちょっと細工(?)することで擬似的にAカーブやCカーブにすることが...

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回路図はこれ。
ただ、Cカーブのようにはうまくいかず、悩んだ末、抵抗値としての絶対値ではなく、1-3端子間にたいする1-2端子間の抵抗値の比率がAカーブになる、ということで、理解しました。

1-2間の抵抗値は、αxR/(α+x)
1-3間の抵抗値は、αxR/(α+x) + (1-α)R
1-3間の抵抗値にたいする、1-2間の抵抗値の比率は
{αxR/(α+x)}/{αxR/(α+x) + (1-α)R} = αx/{α+x-α^2}

α=0.5のとき15%になるxは 3/28=0.10714....(疑似15Aカーブ)
α=0.5のとき10%になるxは 1/16=0.0625 (疑似10Aカーブ)

それぞれをグラフにすると、以下のようになります。
疑似15Aカーブ


疑似10Aカーブ


大事なことなので2回書きますが、あくまでも抵抗値の比率がAカーブになるのであって、抵抗値の変化はAカーブではありません。
電圧の抵抗値分割などには使えますが、電流値の制御には使えません。

ちなみに1-2間の抵抗値、1-3間の抵抗値のカーブはこんな感じ(疑似15Aカーブの場合)



具体的に、150kΩの15Aカーブを作ろうと思ったら、
15%カーブなので、x=3/28
α=1の時の1-3間の抵抗値は、3/28*R/(1+3/28)=3/31*Rなので、
150k=3/31R  R=1550kΩ  こんな値の可変抵抗器は市販されていないので、1M Ωで代用します。
R=1MΩのとき、α=100%のときの1-3間の抵抗値を150kΩにしようとすると
x /(1+x)=0.15
x= 3/17=0.1764...

つまり、176kΩの抵抗を並列につなぎます。 E24系列なら180kΩですね。
x=0.18

1MΩと180kΩの並列つなぎで、152.54kΩ

1MΩのBカーブ可変抵抗に180kΩの抵抗を並列につないだ時の挙動は以下の通り


揺動子50%で20%くらいになってしまうけれど、Logっぽいカーブにはなっていますね。

ちなみに、その時の1-2間の抵抗値

おなじく1-3間の抵抗値


AF-20用ピックガードの作成

2025-01-19 23:46:48 | その他
ピックガードを作成しました。といっても、ジャズベ用ピックガードから切り出しただけですが。

大阪日本橋の千石電商で、下の写真のようなジャスベ用の鼈甲柄ピックガードが500円で投げ売りされていましたので、それを利用しました。



アクリルカッターで大まかに切り出し


そこからヤスリで形を整え、
最後は電動ドリルにサンドペーパ#100を巻き付けて。3plyなので、ふちを斜めに仕上げれば、いい感じに輪郭がついてくれます。


エッジを整えて、結構時間はかかりましたがいい感じにできて自己満足です。



以下は、もともとついていたピックガード。ボディと同系色だけど、なんか似合っていなかったので、濃い色のものに変えたかったのが、自作した理由。
この形、穴の位置で会うものは、きっと市販されてないでしょうね。



Sadowskiのフルアコみたいな、黒いピックガードもいいな。たぶんあれば木製(エボニー?)だとおもうけど、
今回使用したピックガード、もう一枚買って裏側をつかうのもいいかも。

Bカーブの可変抵抗でCカーブを作る

2024-12-21 00:24:42 | その他
Keeleyの4nob Comp を自作しようとしていたら、150KΩのCカーブの可変抵抗が使われていて、
入手できないので、以下のページを参考にBカーブの可変抵抗をつかってCカーブを実現することを検討します。

Bカーブから擬似Aカーブと擬似Cカーブをつくる | なんでも独り言

Aカーブを使いたいのにBカーブしか持ってないという状況があるかもしれません。 そんな時でもBカーブにちょっと細工(?)することで擬似的にAカーブやCカーブにすることが...

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ここで気になったのが、Aカーブの場合は、摺動子が真ん中のとき、抵抗値が15%になるものを15Aと呼ぶ、というように
定義があるのですが、Cカーブに関しては85Cのようないいかたをネットで見つけることができませんでした。
Cカーブの可変抵抗器のデータシートを見たのですが、グラフが掲載されておらず、分かりませんでした。
(自分で適当なCカーブの可変抵抗器を買ってみて測ればいいんですけどね。)

とりあえず、摺動子が真ん中のとき、抵抗値が85%になるようにするには、どうすればいいか考えてみました。


定格がR ΩのBカーブ可変抵抗器に、何Ωの抵抗を並列につなげればいいか考えます。
並列に接続する抵抗をxRΩとします。
上の図で、揺動子を左から右へ回したとき、αが0から1まで変化すると表現しています。
つまり、揺動子が左いっぱいのとき、端子1と端子2が短絡して0Ω。
揺動子が右いっぱいの時、α=1で、抵抗値が最大に。

α=1のときの端子1~端子2間の抵抗値は、xR*R/(xR+R) = xR/(x+1)
α=0.5のとき(摺動子を真ん中にしたとき)の合成抵抗値は、xR*0.5R/(xR+0.5R) = xR/(2x+1)
摺動子を真ん中にしたとき、85%にしたいので、 0.85xR/(x+1) = xR/(2x+1)
これを解くと、 x=3/14 = 0.21428...
このとき、可変抵抗器をMAXにしたときの合成抵抗値は、3/17*R

つまり、RΩの可変抵抗器(Bカーブ)に、3/14*R Ωの抵抗を並列につなぐと、3/17*R Ωの85Cカーブ可変抵抗器になる、ということです。

なので、150kΩの85Cカーブを作りたければ、
150k*17/3=850KΩのBカーブ可変抵抗器に 850k*3/14=182.14..kΩの固定抵抗を並列につなげればよい、と。
182kΩの抵抗器は何とかなるとして、850kΩのBカーブ可変抵抗器なんて存在しません。

厳密に85%にならなくていいので、何とかならないか考えます。まず、入手可能なBカーブの可変抵抗器として、1MΩを選択します。
これに、並列に抵抗を入れて合成抵抗を150kΩにするには、

1M*x/(1M+x)=150k
1M*x=150k*1M+150k*x
x=150k*1M/850k=176.470..k
E24系列から選ぶとすると、180kΩとなります。

そうすると、合成抵抗は 1M*180k/(1M+180k)=152.5423....kΩ  誤差約1.7%なので、上出来。(そもそも炭素被膜抵抗の誤差が5%あるので)
摺動子を真ん中にしたときの合成抵抗値は 500k*180k/(500k+180k)=132.3529...kΩ
132.3529/152.5423=86.76% ちょっと85%より大きい

というわけで、150kΩ(85Cカーブ)は、1MΩ(Bカーブ)と180kΩの並列接続で実現できることがわかりました。



これを応用すれば、任意の抵抗値のCカーブが作れそうですね。

ただし、端子2と端子3は短絡しているので、電圧の抵抗値分圧などの用途には使えません。

補足:同様に、90Cカーブにしたいときは、x=1/8 となり
可変抵抗器をMAXにしたときの合成抵抗値は、8*R/9 Ω

つまり、RΩの可変抵抗器(Bカーブ)に、1/8*R Ωの抵抗を並列につなぐと、8/9*R Ωの90Cカーブ可変抵抗器になります。

....と、ここで驚愕の事実が判明

JIS C 5260 “電子機器用可変抵抗器” にA,B,Cカーブが定義されていました。 なんとCカーブは右肩下がり!

JISC5260-1:2014 電子機器用可変抵抗器-第1部:品目別通則

この規格は,品目別通則であり,ねじ駆動形,半固定形,多回転形などを含む全ての可変抵抗器(以下,可変抵抗器という。)について規定する。

kikakurui.com

 




なので、"85C" ではなく"15C" でした。

ポテンショメータの構造からして、左に回し切った時に抵抗値が最大になるようには、できないような気が。
とおもったら、Cカーブの場合、端子番号が逆配列になっているようです。

https://www.mouser.jp/datasheet/2/54/PDB181-GTR-1013660.pdf


ここで、KEELEY 4knobs Comp の回路図を見直します。

https://aionfx.com/app/files/docs/aurora_legacy_documentation.pdf

この回路図だと、時計方向に回すと抵抗値が増加していくことになっていますが、端子番号を、AカーブやBカーブのものと
同じだとかんちがいしているとおもわれます。



E系列の値のズレ?

2024-12-17 00:37:54 | その他
抵抗やコンデンサの値って、10,20、30 じゃなくて、22、33、47...とか、変な値ばっかりですよね。
これって、E系列と呼ばれる数値で決まっています。 詳しくはこちら。

【E系列のまとめ】『E12系列』や『E24系列』などの一覧表などを解説!

抵抗やコンデンサのE系列は『E3系列・E6系列・E12系列・E24系列・E48系列・E96系列・E192系列』あります。この記事ではE系列の『一覧表』・『計算方法』・『誤差』などを説...

Electrical Information

 


で、ここにも書かれていますが、E24系列の場合 10^(n/24+1) (n=1,2,..24) で決まる値となっています。
がしかし、実際に計算してみると、そうはなっていないものがあります。



たとえばn=11のときなど、明らかに「29」とすべきなのに「30」としています。なぜなんでしょうね?

E24なんて、誤差5%で使うのに、この時点ですでに4.42%ずれてるし。
「29」にすれば、誤差1%未満になるのに。

ちなみに、数値はJISで決められています。
JIS C 5063:1997 抵抗器及びコンデンサの標準数列


また、私と同じ疑問を持たれた方が、おられましたが、解は見つかっていないようです。

抵抗の値はなぜ中途半端なの?(E系列の話)(1)

抵抗値が4.7Ω、9.1Ωなどと中途半端な値になっている理由を説明します。E3系列、E6系列、E12系列、E24系列、E48系列、E96系列、E192系列の数表も載せています。

しなぷすのハード製作記

 

パター練習マット自作

2024-11-17 01:07:41 | Golf
パター練習マットを自作しました。

コーナンで、WT-600(6㎜)の45㎝幅のものを2.5m購入。
https://www.watanabe-ind.co.jp/onlineshop/html/index.php/products/detail/24

1mあたり420円(税込み)だったので、2.5mで1050円。


空き缶を利用して108㎜の穴をあける


切端からほつれてくるので、はんだごてで溶かして補強(左半分が補強後)


丸めて保管していると、広げたときに波打つのが課題。
グリーンのスピードとしては、ベントよりも速いかも?(いい加減) 高麗芝よりは確実に早い。
スティンプメータも自作して計ってみようかな、とおもったけど、9ft(=約2.7m)もないので、計れないな。

WT-750(7.5mm)とかWT-800(8mm)もあったけど、どれがよかったんだろ? スティンプメータで測った人、いませんか?