桑原名誉顧問からの投稿
H2Aロケットの成功率 (2015年2月25日)
2月1日、悪天候で延期されていたH2Aロケット27号機が種子島宇宙センターから無事に打ち上げられ、情報収集衛星レーダー予備機の分離が確認された。昨年12月の小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ成功に続く快挙で、これでH2Aは27基中の26基が成功、成功率は96.3%となった。この数字はアリアンⅤの97.8%、プロトンの97.5%(14年3月現在)に匹敵する。
H2Aロケットは01年に1号機が打ち上げられたが、2年後の03年に6号機が失敗をした。技術的な問題点について精査・改良を行い、05年に打ち上げを再開した。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の理事長は04年にNTT出身の立川敬二氏に交代していた。彼は8年余りの在任期間中、H2Aの打ち上げを16基連続して成功させたほか、小惑星探査機「はやぶさ」の地球への帰還、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の建設や運用開始も果たしている。
H2Aは開発後15年が経ち、技術が陳腐化している。1月に政府が決定した宇宙基本計画において、新型ロケットH3(仮称)を20年度の打ち上げを目指して開発することとなった。アリアンスペース社も次の10年間の運用に充てる新型ロケットを開発、21年の打ち上げを予定し、打ち上げ費用を4割削減させるという。H3ロケットが信頼性、経済性においてこれに負けぬよう、頑張ってもらいたい。