創業昭和7年。きっと六区が全盛時にはハイカラな洋食を提供する輝いていたお店なのでしょう。今はそんな六区の昔の面影を残す数少ないお店なのかもしれません。喫茶店風の店の佇まいは店内も雑然と表現しても良いテーブル席だけの何の飾り気もないもの。たまたまキッチンが覗ける位置に座ったのですが、厨房内のおじさんももホールのおばちゃんも無表情で淡々と仕事をこなしていると言う雰囲気でした。
オーダーはカツレツ(並)とやきめし。そしてハヤシライス。カツは薄いながらもからっとあがっていてビールのおつまみにはちょうど良い。やきめしは一口目は洋風なのかと思ったら微妙な紅しょうがの風味。玉ねぎのしゃきしゃき感と海老と豚肉の具がマッチしていて、なんだか懐かしいと感じる味。それぞれどれもがつんとインパクトがある味ではなく、なんの気取りもなく毎日普通に昼飯なり晩飯を食べる感覚なのです。ゆったり流れる空気感は雷門の近くのときわ食堂に近いのかもしれません。
ここの良さは近隣の歴史ある洋食屋さんと違ってお値段がリーズナブルなところではないでしょうか。上記でビールも飲んで3000円以内。六区の全盛期を遠い目をして思い浮かべて、昼間っからとんかつつまみに日本酒なんぞをチビリと飲りながら、上がりにオムライスとかポークソテーを食べるなんて風景が最もハマる洋食屋さんです。ただ競馬新聞を手にさらに赤鉛筆を耳に差していても、場外裏のモツ煮込み屋さんと違って少しはオシャレにしていた方が粋です。せめてジャンバーではなくてツイードジャケットとカシミヤのマフラー位にはね。
リスボン (洋食 / 浅草)
★★★★☆ 4.0
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