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紙を彫る。紙で染める。

カチンがくる話

布団が恋しい月曜日
出勤の皆様お疲れ様です😌


突然ですが
あなたにとってのカチン!はなんですか?


上司の嫌味?
ご近所トラブル?
それともラインの既読スルー....?

(お許しください....気の利いた返事をしたいのにすぐに浮かばなかったりするのです。他意はないのです。)



私にとってのカチン!といえば

カチン型のカチン

このカチン、別段腹は立ちませんが、
ひえ〜もう勘弁してくれ〜😱
と白目を向きそうになること請け合い。

そんなカチン
先日「私の元へもうすぐ来る」とのお知らせを頂きました!

そう。
今回は「カチンとくる話」でなくて
    「カチンがくる話」...。






伊勢型紙において
 また
染色においての「カチン」とは?


カチンとは墨色を使う事が多い
輪郭線の図柄のこと。

輪郭線を彫った型紙をカチン型、また、染める技法をカチン摺りと呼んだりします。

カチン型の上から刷毛で染料を摺り込んで模様を染めます。



カチンの語源
深い藍染めの色である褐色(かちいろ)や、墨の染料のもととなる備長炭がカチンと鳴るからなど、諸説ありそうです。

このカチン型
模様の輪郭線のみを担当している型紙。
通常は小色型(こいろがた)とセットで制作されることが多く、このように複数枚の型紙でひとつのデザインを表現するタイプの型紙を辺数型と呼びます。

小色型はいわば塗り絵のを担当する型紙。
色ごとに分けて彫ってあるので、カラフルな図柄の反物だと、染めるのに使う型紙が10〜20枚というかなりの枚数になります。

ちなみに振袖は袖や肩など各部位毎に模様が違う為、一着で型紙100枚とかは珍しくなく、景気のいい時代の型彫師の定番のお仕事だったようです。最近はほとんど無いと思われます。


話を戻します。
カチン型の何が白目案件なのか😂

カチンの輪郭線は、塗り絵でみるような線画よりも往々にして細い!(巾0.5mm以下)
さらに一つの線画を複数枚に分割して彫る頭脳労働!
という点に尽きます。



なぜ分けねばならないのか?
よろしいでしょうか?ここからはあなたの想像力だけが頼りです。


型紙は紙を切り抜くという行為の性質上、一枚の紙に表現したい線画の全てを彫ってしまうと

型紙がバラバラに崩壊してしまいます。


😆(なぜ喜ぶ)


田んぼの田という字をイメージしてください。

1枚の紙に黒ペンでを書いて、黒い部分だけ切り抜きます。

✂✂✂

さて何が起きるでしょうか?

田のつもりが、ただの四角い窓が空いた人。
素直で良いと思います。どうぞそのままの貴方で居てください😌



ではこんどはタテ3本線とヨコ3本線に分けて、2枚の紙にそれぞれ切り抜いてみます。



これなら紙がバラバラになることはありませんよね😄👍

この2枚をピッタリ同じ場所に染めることで、田んぼの田が表現できるというわけです。



これが線画を分割して彫るということです。

田の字はシンプルで助かりますが、
これが複雑怪奇魑魅魍魎跋扈跋扈
(さあこれを分割して切り抜いてみよう)
な複雑さになると...oh...😵

分割を間違えると、
刷毛で摺る際引っかけやすかったり💦
破けやすかったり💦と
型紙の寿命を短くしてしまいます。

また、カチン型は2〜4枚に分割することが多いのですが、線画というものは一定の太さに揃ってないと見苦しいんですよこれが!!!

太細のついた毛筆タイプの輪郭線だとごまかしが効くんですがね〜
もうすぐくる子はどんな子なのかな〜





高難度なお仕事。カチン型。

(実際には小色型とセットで10枚以上なりそうな大仕事。和装の帯とかを染める型紙になると思われます。)

白目😱を向きながらやることになっても、成長を感じられるやりがいのあるお仕事には間違いありません💪💨




以下はカチンが来るのを前に居ても立っても居られず、
カチン(輪郭線3枚)+小色(5色6枚)の9辺型をミニサイズで自主練したものです。




やっぱカチン型があるデザインは柄が締まって良いですね~😍


マルシェルでは、墨でなく白をカチン摺りした辺数型を使い、刷毛で紙を多色に摺り上げた季節のアートパネルをお取扱いしています。

気になった方はこちらも是非。


春の陽気が待ち遠しい♪
梅が咲いたら着物で梅林散策してみたい👘
それでは今回はこの辺で〜(^o^)/


<追記>
制作工程がちょっとだけ分かる動画をSNSにてアップしました。
インスタグラム▽ にてご覧下さい😌

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