それでも愛してる

冒頭から薄ら寂しい背中の写真で失礼いたします。

前回はエシカルを切り口としたので

伊勢型紙は

地球に優しく

人に優しく

社会に優しい

ということを書かせていただきました。

こんなにもやさしい伊勢型紙ですが

身内にだけはとんでもなく厳しい

身内＝伊勢型紙に携わる人々

これは文化庁が管轄する

重要無形文化財技術保持団体

伊勢型紙技術保存会の話....。

お叱りを頂いたら削除するかもしれません

※型屋2110は所属していませんが妹弟子の丸田さんは錐彫りで所属しています。

3年目だっけか

写真左

もうね

伊勢型紙が産業として廃れ、

仕事の数が激減する状況で、

伊勢型紙を志して研修制度に申し込み、

一から修行を始めた若手たちの環境は

過酷だったのではと思いますよ！

(私も産業の廃れ具合としては同じなのですが生田さんの内弟子としての修行なので好き放題やらせてもらったため修行環境が違いました。下に書いたような疑問は一切持ったことはなかった)

別に親方がとんでもなく厳しいということではありません。

人間は頑張り続けるのに目標が必要だと思うのです。

それが見えづらい。

なんせ職人を募集するほど仕事もない業界なのですから....。

手製の刃物で紙に穴を開ける行為、

それがどれだけ規則正しく美しくできたとしてどうだというのだ(身も蓋もないw)

誰が喜ぶんだ、

何のために頑張っていて、

いつまで頑張ればよいのか...

そんなこんなで先の見えない修行を大人しく10年以上続けるなんてこと...

経済的にもモチベーション的にも....

私の性格上

到　底

で　き　な　い！！

号泣😭😭😭

(型紙の保存会の研修制度：修行自体はおおむね無償。作品を提出し、1年で数万円程度の対価を受取るシステム。卒業制度は最近まで無かった。ちなみに国指定の技術保持団体なので凛九の松尾さんが修行している本美濃紙保存会とは仲間組織。システムは会ごとに違う)

もちろん諸先輩方も喜びややりがいがあったからこそ続けることができたのだと思います。

しかし那須は永遠の反抗期😎なので3年目くらいで喧嘩して飛び出してそう。

いや絶対やるぞコイツ。

生田さんが親方で良かったし、生田さんでないと続かなかっただろうなあとしみじみ思います😭

すみません。

何が言いたいかと申しますと、

今年、うちの親方が所属していた

伊勢型紙技術保存会で育成する

ゼロスタートの若手から

保存会史上初の新人会員(新人彫師)が

7名誕生しました！

わーー！！！888888888888888

おめでとうございます！！

うぉーー！！

パーティー開いて手作り金メダル差し上げたいくらいめでたいんだよーーー！！(要らん)

🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉

伊勢型紙技術保存会が1991年に組織されて以来の出来事。

いずれも14〜19年間は修行を続けてきた若手の皆さんです！

本当に心からお祝い申し上げます😌

まさに苦節10数年。

今までひたすら練習の型紙を彫り、外部で活動することを控え、技術の練磨だけを続けてきた彼ら彼女らですが

これからは産地協議会に入り、伊勢型紙を商品として堂々と販売するもよし、

ブランドを立ち上げるもよし、広く伊勢型紙の注文を一般や染屋さんから募るもよし。

もちろん訪問営業も良いでしょう。

どんなやり方をするのも

その人の自由！

ただしやり方は

誰も教えてはくれません！

なぜなら

講師である熟練彫師も、明確なやり方は指導できないのと(※出張営業や自社商品づくりなどチャレンジを続けている方も一部いらっしゃいます)

加えて、会の研修内容は彫刻技術の習得のみでビジネスについてはノータッチだからです。

今後そういうことも研修に含めてあげてほしいと個人的には願っています...🙏

行動が自由になるまで十数年。

自由になったからといって何のサポートもない。

エシカルで

地球に社会に優しい伊勢型紙ですが

やっぱり身内には厳しいよなー...

と感じてしまいます。

まぁ、サポートについては那須はずっと自力でやってきてるんですが(^_^;)

そう、ついに！

伊勢型紙技術保存会からも私と同じ悩みを共有できる同士が生まれたという事です！

ワーイ😄

伊勢型紙の神様にどんなにつれなくされても伊勢型紙への片思いを続ける限りは、

彫師という荒野を歩く同士です。

心強い！！🔥

私は何の後ろ盾もない野生の職人道。

彼ら彼女らは伊勢型紙技術保存会というブランドを背負う分、国の信用がリーチとして働くかもしれないし、逆に足枷になるかもしれません。

職人歴においては私は新人ではなく中堅(修行13年目、独立7年目)なので、少しは経験値があります。

それをもとに何かお手伝いさせてもらえたらいいなあ...

少なくとも模索してやってみた数々の愚行😂から、何か参考にしてもらえたら嬉しいです。

私は伝統工芸という性質上、

必ず関わり合って一緒に生きていくしかない仲間

だと、勝手に思ってきました。

部外者と言われようが

何と言われようが😅

懲りずに末永く宜しくお願いしたいと、

人見知りな那須が申しております。

(直接言いなさいよ)

身内に厳しい伊勢型紙ですが、

荒野だからこそ生まれる絆に助けられる事もあるかもしれません。

最後に伊勢型紙の雑な組織図を置いときます。

クリスマスプレゼントです🌟(誰得なのかな)

だいたいです。ご注意下さい。

各組織に若手彫師や修業中の子が居ます☺

いままで若手彫師は4人と回答してきましたが、これからは11人ですと答えたいと思います✨

厳しい状況ではありますが、可能性を信じて我々は歩んでいきたいです😌

着物や手ぬぐいなどを染める染色道具

伊勢型紙の若手職人に、

これからも引き続きどうぞ暖かいご支援をよろしくお願いいたします！

それでは今回はこの辺で。

2022年も型屋2110の駄文にお付き合い頂き誠に誠にありがとうございました。

皆様もどうぞ良いお年を〜(^o^)／