ほんとにまじめな吉原の話

「弔いを山谷と聞いて親父行き」という川柳がございます。昔から山谷というところはお寺が多く、当然ながら弔いも多かったそうですな。ところが、山谷のちょいと裏へ回るってえと、吉原という、けっこうなところがあったものですから・・・というスタートの噺がある。

　ここに出てくる「吉原」というのは、今の吉原のあたりである。江戸の中では唯一の「幕府公認遊郭」だった。

　しかし、こう書くとお詳しい方から反論が来るかも知れない。当時の遊郭としては、「品川・千住・新宿」があったではないかと。
　確かにここも遊郭だったが、ここはすべて「江戸」ではない。市外の宿場町だから、関係ないのだ。

　ときに、どうして幕府は吉原を公認したのか、というよりそのような地区を作ったのだろうか。実は、これは江戸の人口構成がきわめていびつだったからである。
　当時の江戸は、参勤交代の関係で一年の単身赴任の侍が大量にいた。よって、男女比率が大きくぶれており、女性１に対し、男性が１０くらいいたという説があるらしい。

　これはすごい！　まさに欲求不満都市(笑)　　考えてみてほしい・・・満員の通勤電車の中に、１０人の男性と１人の女性が(汗)　おお、一触即発、夏場など一人の女性をめぐって、殴り合いがおこる。女性もうかつに夜道など歩けない。
　よって、ストレスでの暴力沙汰などを抑制させるために、こうした施設が必要だったというわけである。
　
　ちなみに、前出の各宿場町が遊郭になった事情はまた別である。これらは各街道の江戸直前の宿場町であり、たとえばお伊勢さん参りなどからの帰りの団体が最後のドンチャン騒ぎをやる宿場だったのである。
　よって、最後の夜にハメをはずすところに需要が発生し、当然供給もなされるようになった。当初は、旅籠の女中さんが、夜になると変身したため、「飯盛り女郎」などと呼ばれたという。

　ところが、昔話と笑っていられなくなりつつある。生物学的には、男は女より多く生まれる。しかも、若年死は減っているため、成人でも男の方が多い。
　しかも、結婚しない女性が増えているため、このままいくと、あと２０年もすると男性の２５％は一生未婚になるという研究もあるそうだ。

　おお、まさに男性不毛時代間近・・・私は早く生まれてよかった(爆)