小生が毎年必ず行くお宿はたくさんあるが、「吾妻屋」もそのひとつである。毎年必ず行くお宿というと、そこに行けば必ず間違いないというポイントがあるものだ。
たとえば仙仁温泉「岩の湯」や「大丸温泉」、桜田温泉「山芳園」は温泉・施設・料理・おもてなしがいずれも高い水準にあり、隙のないお宿だ。
では「吾妻屋」は・・・と言われると、抜群の温泉といい意味で放置されるおもてなしというのが小生の感覚になる。
施設は、お風呂などはリニューアルしたものの、お部屋などをはじめ全体として老朽化していることは否定できない。もちろん不快感はないが・・・
料理というと、派手さはないがボリューム含め満足度は高い・・・たとえば、今回はお刺身にアワビまで入っていた。だが、上記に上げたお宿と比べれば、厳しい評価をする向きもあろう。
おもてなしという点では、女将さんのホスピタリティあふれる応対はいつもながら素晴らしいが、在館中は基本的にスタッフさんは食事の時以外は、ノータッチ。
廊下などですれ違うこともない。ただし、浴衣やバスタオルは何度でも自由に替え放題だし、缶ビールや飲み物は共有の冷蔵庫からセルフで、精算時自己申告。
その放置された感覚がまことに気持ちいい。各自、自分のペースでお気の向くままどうぞと・・・
あたかも、自分の故郷の家に帰ってきたような気分というのが正しいだろうか。それこそが、こちらのお宿の価値なのかなあと。
いささかくどいが、冷静に考えれば施設も古いし、料理も地味・・・なんてことを書くとこのお宿って・・・と感じられるかも知れない。
だが、抜群の温泉と、まったく何もしないを実現できるという意味で、このお宿は素晴らしい。そして(ついでのようだが)、お値段が安い!
今回はGoToの恩恵もいただいたが、正直そんなの関係ないって感じだし、こちらにいらっしゃるお客さんのほとんどが、そんなのどうでも・・・かと。
もし、読者の皆さんが温泉に求めるものが、豪華な施設とか豪華な料理というならば、こちらはお勧めしない。
とにかく安ければいいよ、温泉はあればいいという方にもお勧めしない。
心身が疲れたら、ぜひ一泊しておいでとオススメしたい・・・こちらはほんとの癒しが得られるお宿である。
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