検察庁法改正案については、正直なところ寝耳に水的な唐突感は否めず、気が付いたら今週にも採決という強行突破の流れになりつつある。
この光景・・・現政権になってから何度見たことだろうか。およそ納得感のない「丁寧とはほど遠い説明」、そして閣議決定によって、すべてが正当化・・・
そしてこうしたことについて、マスコミや民の声で「野党がだらしない」ということを後付けで取り上げる・・・
何度も書いているが、小生は特定のどの党に肩入れするつもりはまったくない。だが、「野党がだらしない」と言われても、現在の議席からすれば、何をどうしようにも、ことはひっくりかえせないのだ。
以前の自民党なら、間違いなく「それを言っちゃあおしめえよ」という反対勢力が内部にあり、こうした強行突破の抑止力になっていた。
今はそれが皆無で、大政翼賛会のごとき状況なわけで、だらしないのは自民党という見方もできるかと。
その点で唯一気骨を感じるのは石破氏だが、悲しいかな国会議員の中では少数派にとどまってしまっている。
ところが、今回ばかりはとSNSなどでの反対意見の広がりは過去にもないレベルだ。だが、これについても与党は無視を決め込んでいる。
それどころか、著名人などの反対意見に対し、脅しともとれるようなネトウヨ? 的な動きも出ているという。
今回の件はどう見ても、無理やりの後付けのごとき動きに見える小生だが、少なくとも「今国会で決めなければならない緊急性がある」とは思えない。
そこについて、納得感のある説明など聞こえてきた試しはないし、審議に参加しない法務大臣などが何をどう言っても説得力はないだろう。
以前から何度も書いているように、民主主義の根幹は、それぞれが自分の意見を自由に述べる権利を有することなわけで、今回の件についても賛成の立場をとる方がいることは否定しない。
だが、それでもなぜこの国会で・・・ということをどう合理的に説明していただけるだろうかと。
その上で、こちらもご覧いただこう。今回の件、法務省に議事録がないというのだ。さあて、安倍支持者のみなさんには、これをどう説明していただけるのだろうか。
「ないことは違法ではない」というだけでは合理的な説明にならないと思うのだが・・・
追伸:13日の審議の中でのやりとりから・・・
森法務大臣欠席の中、武田国家公務員制度担当大臣は法務省内の議論に関与しておらず、「本来ならば法務省からお答えすべきこと」「私はその場にいたわけではないので具体的には言えない」といった答弁を連発したという。ある種当然だ。
焦点は検察幹部を退く年齢に達しても政府の判断で特例的にポストにとどまれるようにする部分。
「定年延長の基準は?→『これから施行日までに決める』。これじゃ議論にならない」~これを国会軽視と言わずして何というか。後出しじゃんけんを認めたようなものだ。
これって、この法案の肝でしょって・・・丁寧な説明はどこへやら。
ところで、前法務大臣については買収容疑で立件も…。
このタイミングって、“検察はこんなに独立性をもって頑張っている”というのを見せるため?などと考えてしまいます。
今日は改正法案質疑だとして、明日は緊急事態宣言解除一色、となりそうなテレビ。
どうなってしまうのでしょう。
何の合理的な説明もなく、気が付けばスルー。で、また後になってそんなこと聞いてねえとか、誰が決めたんだと文句を言う国民。
で、また選挙になれば同じ人に投票する…永久にこの国は変わらないような気がします。
でも諦めたくない、この件についても石破氏がしっかり言っていることにも期待したいです。