先日のフィギュア世界選手権では宮原欠場の影響もあり、来年の平昌五輪での枠が2になった日本女子シングルだが、一方で国別対抗戦では樋口・三原の奮闘で高得点を挙げた。
もちろん、二人ともこの大会ではノーミスでやってくれたし、本人のPB更新に異論はない。だが、ではこの演技が、ソチの浅田のフリーをも凌駕する得点だったと言われると、えっ、そこまで・・・なの?という気にならないだろうか。
それがこのブログでも何度か書いている加点(GOE)の魔術だ。
一口でいうと、同じジャンプを飛んでも、着地の姿勢や微妙な回転不足、それにジャンプに入る前の演技やジャンプ中の姿勢などで加減がつくという・・・あれだ。
この点では、以前からキムヨナの異常ともいえる高得点、正しくは高加点が取りざたされている。まずはこちらをご覧いただこう。
この漫画にも描かれているが、フリーの基礎点では浅田の67.86に対し、キムが58.09という9.77の差があった。もちろんミスがあればこの差は変わるのだが・・・これが実際には軽くひっくり返るという・・・
こちらに、2010年のトリノの世界選手権のときの浅田とキムのフリーを採点付きで比較した動画がある。ひいき目はおいても、キムの演技が加点だらけなのがわかる。
逆に浅田の演技前半(動画の1分時点~)のトリプルアクセルからの連続ジャンプの得点の低さを見てほしい。回転不足にGOEもマイナスで、わずか4.32点だ。そんなに出来栄え悪いか? ってか、そもそも回転不足か・・・と。
比較のために28秒のトリプルアクセル単独が、基礎点8.2にGOEが0.6で8.8だから、この得点は信じられない低評価だ。
たまたま同じタイミングでキムのトリプルルッツ、トリプルトゥループが、10.0の基礎点にGOEがなんと2.2ついている。
この大会ではSPで出遅れたキムがフリーでは浅田を上回ったものの届かず、銀になったが、この二人の演技を比べてキムの方が高いと納得できるだろうか・・・
目立ったミスのない(ように見える)浅田に対し、キムは転倒が一度、ジャンプも抜けてシングルになった無得点があった、さらに基礎点では大きく浅田より下だったキムが、浅田を上回る・・・なかなか理解しにくい。
これがGOE加点の魔術だ。そしてこれは採点委員のさじ加減で決まる。
いろいろなところで記事になっているが、キムに対しては、回転不足どころか転倒していても、加点がされていたとなると・・・と。
実のところ、バンクーバー五輪のときの浅田のGOE合計が8点台だったのに対し、キムのそれは17点を超えていた。浅田の8点台だってすごいのだが、この水準はその時の男子のフリーの優勝者の加点を超えていた。コンテンツから考えてありえない・・・
競技としてではなく、演技として見たキムヨナについては、小生きらいではない。だが、この異常な加点については、後に韓国の採点関係者が「空気が醸成されていた」という表現で、なにがしかの工作があったことを認めている。
ちなみにキムのスパイラルやスピンについてまとめた動画がこちらとこちらにある。わかりやすいので、ご参考までに・・・
平昌五輪においては、キムヨナのような有力選手はいないはずだが、少なくとも日本選手については、回転不足判定や減点連発なんてことも想定しておいた方がいいのかも知れない。
本来のスポーツとしては、考えたくも信じたくもない話だが、期待はしたいものの、日本人選手の金メダルはないと思った方が良さそうだ。
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