「家事のしすぎが日本を滅ぼす」・・・このある種挑戦的な表題に惹かれ、一気に読み切ってしまった。
結論からいうと、この本は育児と仕事の両立に悩んでいるお母さんだけでなく、そのご主人やこれから結婚する人たちにもぜひ読んでほしいと。
この本は、LECのCMなどにも出ている佐光紀子さんという人が書いたもの。小生も若いころから感じていることについて見事に指摘してくれていた。
この本の内容について書き出すのはご法度だろうから、周辺環境について書いてみたい。まずは小生の感じていたことだが・・・
いわゆるサラリーマンの妻の三号被保険者だが、主夫もその該当になるようになったのは、つい最近のことだ。
この制度の理不尽さは男性である小生もずっと感じていた。当の被保険者は年金保険料を支払わなくてよいのだが、ではその保険料は?
そう、その妻のご主人の勤務している会社の従業員全体で負担しているのだ。これを知ったとき、独身男性はもちろん、働いている女性は不満を持たないのだろうかと。
そして、子供はともかく配偶者が働かなければ税額控除になるという仕組みとセットで、「要は女は働かずに家にいるのが正しい」というのが国の本音なのだなと。
さらに会社にいていろんな上司たちと接するうちに、長時間労働の仕組みについて個人的には「男が家事をしないために忙しいふりをしているだけ」と感じた。
定時までは仕事も適当にし、定時以降にダラダラと仕事する。そして会社帰りに上司が部下を誘って飲みに行く。
また、大事な業務連絡はその飲み会の席等で伝えられたりする。そして二言目には「忙しくて家のことは放置状態」であることを自慢げに話す上司。
週末は家にいても奥さんや子供からうざがられ、やることがないのでゴルフに行く・・・等々。男は忙しぶって家のことをしない。
小生の一番嫌いなセリフのひとつに「君には家のことをしっかりやってほしい」というのがある。さらには「こんな子にしたのは君の責任だ」と。
この国の仕組みとして、家事は完璧にしなくてはいけない、そうでないと子供生育上よくない。食事を手抜きするなんてもってのほか、食事は家族皆で取らなくてはいけない。もっとも、その家族には父は入らない。そして母が仕事に出ると家族は崩壊し、子供が非行に走る・・・だから、そんなことはやめましょうということなのだと。
この本を読んで小生、永年の疑問が確信に変わった。誤解のないように言っておきたい、本当にウルトラ多忙な人がいることは否定しない。
だが、それ以上にこの国においては、売上げに直接影響しない緻密な資料作成に時間を費やし、それを確認するだけの長時間の会議を毎日のようにやっている人のなんと多いことか。
日本人労働者の生産性の低さは先進国最低レベルだが、たいした能力もない小生でも定時までしっかりやればほぼすべての仕事は片付いた。
ただ、定時で帰ると「あいつは一生懸命ではない」とか「協調性がない」とか言われ、子供が熱出したと休めば、「男のくせに」と指さされる。
そんなことをこの記事で紹介している意味がこの本を読んでいただくとおわかりいただけると思う。
やはりこの国は異常だとしか思えない・・・
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