先日、日の出桟橋近くに所用があった。午前中で所用は終わったので、水上バスに乗ろうと思い、桟橋に向かったところ、ちょうどホタルナという船が浅草に向けて出るところだった。
トップ写真のような船で、宇宙船みたいでカッコイイ。ふつうの水上バスより少し割り増しになっていたが、ノープロブレムである。
平日ということもあり、船内はガラガラであったが、空間もゆったりしていて気持ちいい。まずはアイスクリームを買って、いただきながら出発だ。
日の出桟橋で隣に停泊していたのがこの派手な船、「御座船」とある。おお、落語「金明竹」に「御座船に乗って・・・」というくだりがあるが、これがそれか・・・って。
さて、船は隅田川をさかのぼるのだが、最初に見えてきたのが築地市場。さらに佃島などを通る。以前ウォーキング大会で歩いたことを思い出す。
佃島は今は陸続きだが、江戸時代は文字通り島で対岸との間には渡し舟が運航されていた。落語「佃祭」はまさにここを舞台としているわけで・・・
勝鬨橋をはじめとして、たくさんの橋を通過していくと、さながらセーヌ川ツアーをしているような・・・って、違うか。ほとんど落語ツアーになりそうだ。
以前も書いていたが、両国あたりを走っていると隅田川を大川と呼んでいたことのイメージが浮かぶ。
両国橋と言えば、落語「十徳」が思い出されたりするなあ・・・あっ、妄想はさておき、ツアーに戻そう。
この船、天井もガラス張りなので、橋を下から眺めたり、高層マンションを眺めたりがしやすい。空いているのをいいことに、あちこち移動して写真を撮った。
学生時代に西岡の人文地理という名物授業があり、その中でこの水上バスを紹介していたことを思い出した。
確か、橋のひとつひとつの特徴や由来などを紹介していたはず。そんな目で永代橋を見ていたが、そこから両国橋に至るまでの距離と橋の多さだ。
江戸時代はなかった橋がいくつかあるが、そこで思い出したのは落語「たがや」の中のセリフ、両国橋に差し掛かったたがやが混雑に気付き、「まいったなあ、今日は花火か。でも今から永代回るのもシャクだしなあ」というのを思い出した。その実感がよくわかる。
やがて、東京スカイツリーの大きさも大きくなってくると、浅草は近い。最後に吾妻橋をくぐるとゴールである。
この吾妻橋となれば、落語「文七元結」で身投げをしようとする文七をとめるシーンが頭に浮かぶ。アサヒビールの例の派手なビルはあるが、それでもなお、この橋の物語は健在である。
桟橋に着くと、折り返しの船に乗るため待っているお客さんが行列を作って待っている。その多くが外国人観光客と思しき方々であった。
この方たちに、金明竹~佃祭~十徳~たがや~文七元結の話をしながらツアーガイドをしても・・・何もならんわなあ(苦笑)
でも、夏にこのツアーというのは、なかなか・・・オツである。皆さんにもおすすめだ。
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