今年の大河ドラマ「光る君へ」、スタートの視聴率はなかなかの苦戦だったようだが、「どうする家康」だって苦戦していたわけで、大河というコンテンツそのものが・・・って気もする。
とはいえ、清少納言推し(ファーストサマーウイカ推しではない、念のため)の小生としては、なかなか興味深かった。
特に前半戦では源氏物語に行かないこともあり、清少納言ワールド全開で、結果的にファーストサマーウイカ推しにもなりそうな・・・
もちろん、吉高推しの小生、ともに推しが活躍するのは嬉しいわけで・・・さて、そんな清少納言推しにはたまらない回が、6月23日の放送だった。
藤原公任と清少納言の歌のやりとりが描かれていたのだ。これは、「枕草子」にも描かれているエピソードだ。
一口に言うと、藤原公任が「少し春ある心地こそすれ」と下の句を書いた紙を清少納言に託して、上の句を求めたというもの。
古典の世界では、上の句もしくは下の句を出して、相手に残りを読ませるという遊びはよくあるのだが・・・
このやりとりはすごかった。まず公任の句は、白楽天の「南秦雪」の「三時雲冷多飛雪 二月山寒少有春」をベースにしていた。
そして、そのことを瞬時に読み解いた清少納言は、同じ詩の中をベースに「空寒み花にまがへて散る雪に」と返したというのだ。
つまり、双方にともに漢詩の素養があり、それを十分理解した上でのやりとり。すさまじい知性的なやりとりだ。
こういうのにしびれてしまう小生である。と・・・ここまでは知っていたが、こちらの記事によれば、枕草子に、このエピソードの時に一条天皇と定子が同衾していた記事もあると。
うーん、ますますこの大河は、なかなか巧みで深いものに感じてきた。その時にできた子供が悲劇になるわけで・・・
さて、そんな中で紫式部は、同じ白楽天の政治などを揶揄した「新楽府其五十 采詩官」を読んでいた。ドラマの脚本的には、同じ白楽天でありながら清少納言と紫式部で読んでいるものが違うというのも「いかにも」という感じで。
この後は、清少納言は出番が激減していくはず。その点は寂しいが・・・今回の大河・・・結構楽しくなってきた。
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