◆最近は宇宙や天文に関する情報があふれ、ちょっとしたブームです。テレビや新聞にはスペースシャトル、火星探査機、国際宇宙ステーション、日本人宇宙飛行士といったニュースがよく登場しますし、書店にはハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡の写真集が並んでいます。ディープインパクト、アルマゲドン、エイリアン、スターウォーズ、スタートレック・・・、宇宙をテーマにしたSF映画も必ずヒットしています。そして、SFアニメで育った今の子供たちの知識は大人顔負けです。
◆しかし、私たちにとって「宇宙」は本当に身近なものになってきたのでしょうか?急速な観測技術の進歩で、宇宙の情報は私たちのまわりにあふれてきました。寒い夜、外で望遠鏡を操作しなくても、茶の間で寝ころがっていて宇宙が見れる。美しい天体写真、迫力ある映像・・・。しかし、それらは画像処理で色づけされた写真だったり、コンピュータが作った映像であって、決して本当の宇宙そのものではありません。このような最新技術がかえって宇宙を私たちから遠いものにしているように感じます。本当の宇宙はスクリーンや写真集やテレビの中にはありません。
◆子供の頃は土星のリングを見ただけで感激したものですが、このような疑似宇宙に慣れてしまっては、望遠鏡をのぞく意欲がなくなるかもしれません。残念ながら、市内の夜は光があふれています。プラネタリウムのような満天の星空を見るのはとても無理です。天の川は高い山にでも登らないととても見つかりません。私たちの環境では確かに見える星の数は少ないですが、自分自身の目で見る宇宙は録画されたり画像処理されたものではなく「今、ここに本当にある宇宙」です。晴れた夜なら空を見上げてください。そこには間違いなく星があります。それは何百光年、何千光年もの彼方から気の遠くなるほどの長い旅をしてあなたのもとに「今」届いた光のメッセージなのです。当センターの「星空セミナー」では、皆さんが本当の宇宙を見るためのお手伝いをいたします。