月誕生の謎をさぐる
◆旧暦の8月15日は「中秋の名月」と呼んで月見をするならわしがあります。この日を中秋と呼ぶのは、旧暦では7月から9月までを秋としているためで、8月15日がその真ん中の日になるからです。ですから、必ずしもこの日が満月とは限りません。
◆この月の起源には4つの説がありますが、今のところ45億年ほど前の誕生したばかりの地球に火星ぐらいの小天体が衝突して、その破片が集まってできたという「ジャイアント・インパクト(巨大衝突)説」が有力です。アポロ計画によって持ち帰ったた石から月と地球の物質が似ていることがわかったからです。
◆この月の起源をさぐるために、日本が「ルナーA」という探査機を打ち上げます。これは、ヤリの形の観測機器「ペネトレータ」を月の表面から数mの深さに打ち込み、月の地震や内部構造を調べるものです。これによって月の起源がかなりはっきりするといわれています。人類が地球以外の天体の起源を初めて解きあかすのですから、この計画には世界中が注目しています。将来は日本で開発されたこのペネトレータが、NASAなどと共同で火星や金星の探査に使われる可能性もあります。今まではアメリカや旧ソ連に頼っていた日本も、最近では独自でここまで宇宙探査ができるようになりました。
水に浮かぶガスの固まり「土星」
◆土星の本体は半径6万kmで地球の約10倍。これは、惑星では木星に次ぐ大きさです。そして7本のリングと18個もの衛星を持っています。衛星の中にはタイタンのように水星より大きく、しかも地球より濃い大気を持つものがあります。そして、土星の平均密度は0.7g/cm3、つまり水の0.7倍なので水より軽いのです。だから土星を水に浮かべるとプカプカ浮かぶことになります。平均密度がこんなに低いのは、水素やヘリウムなどの軽い物質でできているからです。そしてその内部は、中心に岩と鉄と氷の核、その上に金属のように固くなった水素やヘリウムの層などがあります。土星をはじめ木星、天王星、海王星などガスでおわれた惑星を「木星型惑星」と呼びます。