振り向けば大宮の夜が明ける。 少し変わった角度から眺めるの!

大宮在住。
伸び行く大宮市、
その時々の目に留まったことなどを楽しくユーモアも交えて
書きたいと思います。

醜いよだかの星が輝いた。最終回。

2019-02-28 19:40:04 | ブログ

 

よだかはがっかりして、よろよろ気力がなく地面に向かい

落ちて行きました。

それでもまた、4回空を飛び回りました。

 

  

そして東から昇ったばかりの天の川の向こう岸の大きなワシの星に

叫びました。

 




 ワシ座

 「東の白いお星様、どうか私をあなたの所へ連れて行って下さい。」

 

 

 

「鷲座」の画像検索結果

 

 ワシは横暴にいいました。

「お前はとても話にならんよ。星になるには、それ相応の身分でなくては

なれない。さらに大金もいるのだ。」

 

よだかは

もうすっかり気力がなくなり、羽を閉じて、地面にクルクルと真っ逆さまに

落ちていきました。

 

そしてまさに弱い体が地面に叩きつけられるその瞬間に、まるで立ち上

る煙のようにまた夜空へ飛び上がりました。

 

 

夜空の中ほどへきて、まるでワシが熊を襲う時にするするように、

ブルッと体を揺すって毛を逆立てました。

 

 

 

それからキシッキシッと高く叫びました。

その声はまるで・・・・・タカでした。

野原や林に眠っていた他の鳥は、みんな目を覚まして、ブルブル震えながら

いぶかしそうに星空を見上げました。

 



 

よだかは、どこまでもどこまでも、ただ真っ直ぐに空へ昇って行きました。

もう山焼けの火はとても小さく点ぐらいにしか見えませんでした。

よだかは昇って昇って行きました。

 

 

 

とても寒くて息は胸に白く凍りました。

空気が薄くなり、苦しくて羽をせわしくバタバタ動かしました。

でも星の大きさはさっきとまったく変わりませんでした。

 

 

 

 

 

 息はたえだえになりました。

寒さや霜がまるで冷たい棒のようによだかの体を

突き刺しました。

よだかの羽はすっかり痺れてしまいました。

 

 そして目にはいっぱい涙が溢れていました。

涙ぐんだ目をあげてもう一度空を見上げました。

 

 

これが終わりでした。

これがよだかの生命の最後でした。


今のよだかは、自分が落ちているのか、昇っている

のかは分かりません。


逆さになっているのか、

上を向いているのかも分かりません。

 

ただただ気持ちは安らかに、

血の流れているクチバシは、横に曲がっては

いましたが、少し笑っているように見えました。

いいえ、確かに笑っていました。

 

 

 

しばらく時が過ぎました。

よだかは、はっきりと両目を開きました。

 

 

そして自分の体が夜空の中で浮いているのに

気がつきました。

自分の体が燐光のような美しい青い光になって、

燃えているのが分かりました。

とても静かに燃えているのを見て嬉しくなりました。


☆燐光とは 

鉱物には,光,熱,電子線などのエネルギーを与えると

吸収してその鉱物特有の波長の光を発生する特性

(ルミネッセンス)をもつものがある。


外部よりエネルギーを受けている間のみ発光する

場合蛍光,

その後もしばらく発光が持続する場合を燐光と呼ぶ。

 

約200種の鉱物は

紫外線の照射により蛍光またはリン光を発生する。

鉱物の鑑定,特別の鉱石の探鉱などに利用。)

 鉱物学に詳しい賢治にならって・・・



 

 

 「よだかの星」の第1回目から

① 醜いよだかの星を賢治が童話に描いた!


醜いよだかの星を賢治が童話に描いた、その2

 

オリオン星に向かって叫んだ醜いよだかその3

 



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 画像検索から


 隣の星はカシオペア座でした。

天の川の輝く青白い光がすぐ後ろにありました。

 

よだかの星は静かに燃えました。

いつまでもいつまでもよだかの星は燃え続けました。

 

 

そして、今でもまだ燃えています。

いつまでもいつまでも燃え続けるのです。

 

悲しい時苦しい時一人ぼっちの時、夜空を見上げると

よだかの星が輝いてあなたを待っています。

 

 

「大丈夫だよ。

僕が見守っているよ。

勇気を出してね。」

 

よだかは自分の体が美しい青い光の星に

なって燃え続けているのを

誇りに思っています。

 

 よだかさん、よく頑張ったね。

 

 

よだかは、夜の空に輝く美しい星になりたかった。

その為に必死でした、死に物狂いでした。

 

自分の生まれた宿命に果敢にも挑戦したのでした。

そう、よだかは、諦めなかった。

よだかは、とてもたくましい勇敢な鳥でした。

 

 

 夜鷹の星 宮沢賢治の悲しい童話でした

グスッ!

 

 よだかさんを助けに行かなくちゃ。

 

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お、おばあちゃん、ここは、天国じゃないのよう。

歩行者天国くう~~~~!

 フィクションに人間はよく反応するう。

まあ、ケンジイ~~~じゃ。

 

 



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ここまでのお付き合いありがとうございました。

ケンジイ~~~~~!

 高尚な賢治が銀河鉄道で旅をするのです。

青い石を拾うのが好きな賢治は、いまもどこかで拾っています。




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